2017年のSUPER GT第4戦SUGOが7月22・23日にスポーツランドSUGOで開催。今年も「SUGOの魔物」に翻弄される大波乱のレースとなった。
【22日:公式予選】GT500はNSX-GTが予選トップ3独占、GT300はVivaCが2戦連続PP
当初は雨になるという予報だったスポーツランドSUGOだが、朝から気温30度に到達する晴天となり、午前中の公式練習時には雨が降らないのではないかというほどの陽気となった。
しかし、予選開始20分前になると、上空には一気に黒い雲が広がり、遠くの方では雷も確認できるほどに天候が悪化。雨も降り出し、ウエット宣言が出されるが、結局セッション開始前までには止み、ドライコンディションのままセッションがスタートした。
今回は好調レクサス勢の連勝を何としてもストップさせるべく、ライバルも準備を整えてきた。特に日産GT-R勢は、アップデートした新エンジンを導入。今年は年間使用数が2基に減ったことと、後半の第6戦に鈴鹿1000kmレースが控えているため、1基目は第5戦まで使用すると思われていたが、パフォーマンスアップが急務と捉え、前倒しでの導入となった。
予選では上位進出も期待されたが、いざフタを開けてみると大苦戦。No.24フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rを除く3台が揃ってQ1敗退となった。またレクサス勢でもランキング上位につけるNo.36au TOM’S LC500、No.37keeper TOM’S LC500、No.38ZENT CERUMO LC500がリストリクター制限のハンデもあり、Q1でノックアウトされた。
そんな中、このコースとも相性が良いホンダ勢は5台中4台がQ1を突破。Q2でもホンダ勢同士のポールポジション争いとなったが、その中でも抜群の速さをみせたのが、No.8 ARTA NSX-GT。野尻智紀がコースアウトギリギリのアタックをみせ、1分10秒915をマーク。チームとしては開幕戦に続き、今季2回目のポールポジションを獲得した。
2番手にはNo.100RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也)、3番手にはKEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)が入り、ホンダ勢がトップ3を独占した。
GT300クラスは前評判通り、JAF-GTやマザーシャシー勢の争いに。その中でも速さをみせたのが、前回のオートポリスラウンドを制したNo.25VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太)。No.18UP GARAGE BANDOH 86と僅差の戦いとなったが、0.096秒差で競り勝ちトップタイム。2戦連続、そしてSUGOでは2年連続のポールポジションを獲得した。No.18 UPGARAGE BANDOH 86 MC(中山友貴/川端伸太郎)、3番手にはSYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章/吉本大樹)が続いた。
【23日:決勝レース】大波乱のレース、GT500は1号車サードが今季初勝利!GT300が11号車ゲイナーAMGが優勝
予選日とは一点し、朝から雨模様となっていたスポーツランドSUGO。ウエットコンディションでスタートになるかと思われたが、直前のウォームアップで徐々に路面が乾きドライコンディションに。グリッド上では各車ともドライタイヤにかえるが、スタート10分前になって再び雨が降り出し、ほぼ全車がウエットタイヤに履き替えるなど、混乱が見られた。
スタートが切られるとホンダNSX-GT勢が速さをみせ、No.100RAYBRIG NSX-GTが先行。しかし、今回もSUGOの魔物が牙を剥くシーンが序盤から連発し、2周目に入るところでNo.17KEIHIN NSX-GTのリアカウルが外れるアクシデントが発生。5周目にはGT300マシンが最終コーナーでクラッシュしセーフティカーが導入されることになった。
再開後は、100号車が一気に後続を引き離す走りをみせ、2番手以下に一時は15秒近いリードを築いた。
前回はセーフティカーの影響でリズムが崩れてしまった100号車だったが、今回は順調に走行し今季初優勝も確実かと思われた。しかし、41周目にNo.24フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rが最終コーナーでクラッシュしセーフティカー導入。またしても、山本が築いた貯金はゼロになった。
46周目にレースが再開されると、レース半分を折り返していたこともあり、各車が続々とピットインするが、100号車をはじめ、No.64EPSON Modulo NSX-GT、No.1DENSO KOBELCO LC500、No.46S Road CRAFTSPORT GT-Rの4台はコース上にとどまることを選択。翌47周目に1号車ご46号車がピットインをした。この直後に、最終コーナーでまたアクシデントが発生し、今回3度目のセーフティカーが導入。レース再開直後に100号車と64号車がピットインするが、ライバルはすでにタイヤが温まっていることもありピットアウト直後もペースが上がらず。一気に後続に飲み込まれてしまった。
波乱の展開の中、トップに浮上したのは1号車。ヘイキ・コバライネンからバトンを受け取った平手晃平が、今季初勝利を目指し周回を重ねていく。1号車と同じタイミングでピットインしていた46号車の本山哲も背後につけ、終盤はこの2台による一騎打ちとなった。
しばらくは1号車がリードを広げ一時は6秒近いアドバンテージを築いたが、残り15周を切ったあたりから46号車も差を詰め、残り5周のところでは両者の差も1秒となる。
そしてファイナルラップに入ったところでGT300車両にひっかかった平手に本山が接近。1コーナーから2コーナーにかけで白熱のバトルとなるが、ここは平手がトップを死守。残りコーナーを考えると、ほぼ勝負アリかと思われた。
しかし、SUGOの魔物は最後まで2台に牙を剥き、なんと馬の背コーナー付近で突然雨が降り出し、SPコーナーは滑りやすい状況に。これに2台とも足元をすくわれコースオフ。何とかマシンをコントロールするが、SP2つ目で2台が接触。46号車のフロントカナードが破損したが、幸い2台ともスピン等なく走り始め、結局1号車が逃げ切り、今季初優勝を飾った。
2位には46号車、3位にはNo.6WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)が入った。
GT300クラスはスタートからNo.25VivaC 86 MCが先行するが、今年は雨に強いと言われているブリヂストン勢がペースを上げ、中盤になると、No.65LEON CVSTOS AMG、No.51JMS P.MU LMcorsa RC F GT3がレースをリードした。
しかし、GT500同様に中盤で2回連続で入ったセーフティカーの影響でレース展開が一変。順位を整理するとトップに立ったのはNo.11GAINER TANAX AMG GT3。そのまま最後まで安定した走りを見せ、2014年最終戦以来となる優勝を手にした。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。