2016年のSUPER GT第6戦インターナショナル鈴鹿1000kmの決勝が28日、鈴鹿サーキットで開催。No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)が待望の今季初優勝を飾った。
昨日の予選とは打って変わり、朝から雨模様となった鈴鹿。午前中は土砂降りになることもあったが、レース開始時間が迫るにつれて雨は止み、直前のウォームアップではレコードラインが乾き始めるほどに。このまま天候は回復傾向になると見込み、GT500クラスは全車スリックタイヤでスタートをきった。
序盤はポールポジションのNo.15ドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GT(武藤英紀)とNo.46S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲)のトップ争いが白熱。本山が最初の数周は積極的に攻めていくが、武藤も何とかしのぎポジションを守る。
この2台に続いたのが8番手スタートの38号車。立川が怒涛の追い上げをみせ3番手に浮上すると15周目の1コーナーで46号車をオーバーテイク。逃げる15号車を追いかけ、当初は4秒あった差をあっと言う間に短縮。22周目のシケインでインに飛び込みトップに立った。
一方、3番手に後退した46号車は早めに1回目のピットストップを敢行。今回がGT500初レースとなる高星明誠が乗り込む。これを皮切りに1回目のピットストップが続々と始まっていく。38号車は27周終わりでピットイン。石浦宏明に交替するが、46号車の高星が追い上げてきており、ここで逆転を果たす。しかし今週末の38号車は他を圧倒する勢いがあり31周目に再びトップに浮上。レース中盤にかけて、僅差の白熱したトップ争いが展開された。
とは言っても、今回は長丁場の1000km戦。中盤に入ると各所でトラブルが勃発する。まずは3番手につけていたNo.12カルソニックIMPUL GT-Rは2回目のピットを終えた直後にマシン右側から出火。右側のドアも外れてしまった。ドライブしていたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラはマシンから脱出し無事だったが、勢いがあっただけに残念なリタイアとなってしまった。
さらに、序盤はトップ争いをしていた15号車もトラブルで緊急ピットイン。そのままリタイアに。さらにNo.37 Keeper TOM’S RC Fもトラブルでガレージに戻ってしまった。波乱はトップ争いにも及び、序盤からいい走りをみせていた46号車には黄旗区間中の追い越しがあったため、10秒のストップ&ゴーペナルティを受け5番手に後退した。
これで38号車が後続との差をつけ独走状態になるが、89周目にはNo.2シンティアム・アップル・ロータスの高橋一穂が2コーナーでクラッシュ。マシン回収のためにセーフティカーが導入される。幸いドライバーに怪我はなくマシンもすぐに回収されたが、これで38号車のリードがなくなり、接近した状態で93周目にレース再開。前半とは一転して、RC F同士のバトルが白熱する後半戦となっていく。
再びリードを広げようとプッシュした38号車の石浦だが、36号車の伊藤もSCで接近したチャンスをものにしようと必死に食らい付く。そして、4回目のルーティーンストップで36号車がついに逆転。チームとしては鈴鹿1000kmがかかっており、勢いに乗っていた。
しかし、ここからさらなる波乱が発生。それまで天気は落ち着いていたが、急に大粒の雨が降り出し、特に西コースはハーフウエットに。さすがに36号車のキャシディもペースダウンを余儀なくされ、38号車の立川に接近された。そして、132周目のスプーンカーブで追い抜くのだが、ちょうどそこはNo.17KEIHIN NSX CONCEPT-GT(小暮卓史)がスピンしており黄旗区間中に。ペナルティの審議がかけられたが、結局は追い越しはセーフとの判定でお咎めなし。しかし、公式映像でもしっかり捉えられていただけに、その裁定内容に疑問を持たれるとことになったが、実際に審議用のカメラではポストの前で追い抜きをしていたのと、映像に映っていたポストはその時黄旗は振られていなかったとのこと。これにより、セーフという審議になった。
その後も何度か順位を入れ替えるが、終盤は38号車が優勢に。142周終わりで最後のピットストップを行い、石浦にバトンタッチ。追いかけてくる36号車(伊藤)に対しても5秒以上の差をつけ、いよいよ今季初優勝へカウントダウンというところまでいった。
ところが、今年の鈴鹿1000kmは最後の最後でまたドラマが。なんと残り5周でまたしても雨が降り出し路面は再びハーフウエットに。石浦も冷静に対応するが、ファイナルラップのシケインで足元をすくわれコースオフ。しかしスピンは免れ、そのままトップチェッカー。それでも最後は1.2秒差の僅差の結果となった。
2位には36号車が入り、レクサス勢が今季初優勝を飾るとともにワンツーフィニッシュ。3位には46号車が続いた。また今回は100kgのハンデを積んで臨んだランキング首位のNo.1MOTUL AUTECH GT-R。重いウェイトを積んでいるとは思えない活躍をみせ、終盤には4番手に浮上したが、最終ラップの西ストレートでマシンがストップしてしまい、6番手に。チェッカー目前にまさかの結果となってしまった。
しかし、6位完走扱いとなり合計56ポイントでランキング首位キープ。同2位には優勝した38号車が45ポイントでつけ、一気にチャンピオン争いに名乗り出た。
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