2016年のF1第9戦オーストリアGPが7月1〜3日、オーストリアのレッドブルリンクで開催。今シーズンの中で一番と言っていいほどの波乱のレースウィークとなった。
今回は金曜フリー走行の走り出しから、縁石が原因でのトラブル・アクシデントが多発。ワイドラインを防止するため黄色のソーセージ状の縁石が設置されたが、これにのったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が右フロントサスペンションを壊してしまう。
さらに土曜の公式予選でもQ1でセルジオ・ペレス(フォース・インディア)、ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)もサスペンショントラブルが発生。クビアトは最終コーナー手前で激しくクラッシュし赤旗中断となった。
こうした波乱からスタートした予選はQ2になり、さらに大荒れに。Q2では開始直後から雨が降り出してしまう。ドライタイヤでタイムアタックを済ませるべく各車が一斉にコースイン。その中で十分なアタックができなかったのが、今季Q3への進出率が高いフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)。Q2敗退を余儀なくされてしまう。
そしてQ3はウエットコンディションからスタートするが、雨は一時的なものですぐに太陽が顔を出し路面も急速に回復。残り4分で各車が急いでドライタイヤに履き替え、タイム更新を試みた。
ここで速さを見せたのが、ルイス・ハミルトン(メルセデス)。1分07秒922を叩き出し、ポールポジションを獲得。2番手に僚友ニコ・ロズベルグ、3番手にニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)が続いた。そしてQ3に進出したジェンソン・バトン(マクラーレン)は、昔から定評があるコンディション変化をうまく読み取り、ベストタイミングでアタック。見事の今季チームベストとなる5番手を勝ち取った。
なお、ロズベルグとセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)はギアボックス交換のペナルティを受けるため、3番グリッドからスタートとなった。
翌3日の決勝レース。ここでも71周を通して波乱の展開となった。スタートではポールのハミルトンが好ダッシュを見せる一方、フロントローのヒュルケンベルグは出遅れてしまう。代わりにバトンが2番手で1コーナーを通過。ホンダがF1に復帰して以降、初めてトップ3圏内でレースを進めていくとあって、並々ならぬ注目が集まった。しかし後方から追い上げてくる上位勢を抑えきることはできず、徐々に順位を落としていくことになった。
序盤レースをリードしたのはハミルトン。2位以下で激しいポジション争いもあったこともあり、15周を終えて3.5秒のリードを築いた。しかし今回あまりウルトラソフトの相性が良くなく、決勝では使用を避けるチームがほとんど。その中でスタートタイヤとして履いていたハミルトンも21周目にピットイン。ソフトタイヤに交換する。ここでトップに立ったのがベッテルだった。彼は予選Q2でわざとスーパーソフトタイヤを選択。1回目のスティントを長く引っ張りトップに浮上。そのまま主導権を握るかと思われたが、27周目のメインストレートでタイヤバースト。トップ快走から一転してリタイアとなってしまった。
これによりセーフティカーが導入。マシン回収が行われ32周目にレース再開。ここでトップに立ったのがロズベルグ。ギアボックス交換ペナルティで後方からのスタートとなったが、着実に順位を上げトップに返り咲いた。
そこからはハミルトンとのマッチレース。終始2秒前後のアドバンテージを築いていたが、終盤になってハミルトンがじわじわと接近。残り4周で0.5秒まで迫り寄った。そしてファイナルラップのターン2で勝負を仕掛けアウト側へ。ロズベルグがクリッピングポイントを死守するかと思われたが、強引に牽制しハミルトンの進路を妨害。結果2台は接触してしまいロズベルグはフロントウイングを破損させてしまった。ペースが上がらないチームメイトを次のコーナー手前でパス。そのままトップチェッカーを受け、ハミルトンが今季3勝目をマークした。その後、スローダウンしたロズベルグをフェルスタッペンとキミ・ライコネン(フェラーリ)がコース中盤でパスし2、3位へ。ロズベルグは4位でチェッカーを受けたが、最終ラップでの接触行為でタイム加算ペナルティを取られた(それでも後続と差が大きかったため順位変動はなかった)。
レース序盤に見せ場を作ったバトンは、粘り強く走り続け6位入賞。アロンソはレース終盤にマシンを降りることになったが、記録上は18位完走となった。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。