2016年のF1第8戦ヨーロッパGPが6月17〜19日まで、アゼルバイジャンのバクー・シティ・サーキットで開催された。
今季から初開催となるバクー。壁に囲まれた市街地コースの割に非常に高速なレイアウト。さらに途中にはマシン1台しか通れない狭いポイントも存在するという、かなり異例のコースレイアウト。木曜のコース下見から様々な意見が飛び交った。
いざ金曜に走行セッションが始まると、初コースということもあってかアクシデントが続出。ダニエル・リカルド(レッドブル)が早速ウォールの餌食になると午後のセッションでも多くのマシンがコースアウトを喫していた。さらに土曜のフリー走行3回目にはセルジオ・ペレス(フォース・インディア)もウォールにヒットするなど、各陣営とも攻略に苦労している様子だった。
そして迎えた公式予選も終始波乱の展開に。まずQ1ではここ数戦はポイント争いに絡む活躍していたジェンソン・バトン(マクラーレン)が、いきなり19番手で敗退。うまくタイミングをつかめなかったことが主な原因だが、今回のバクーは長いストレートが多く、まだまだエンジンパワーが足りていないホンダ勢には不利な状況に。僚友フェルナンド・アロンソも予選Q2で敗退してしまった。
ポールポジションが決まるQ3では、今回も優勝最有力候補と言われていたルイス・ハミルトン(メルセデス)が、道幅が狭いターン9〜11のセクションでウォールにヒット。サスペンションにダメージを負ってしまう。十分にアタックを完了していなかったため、10番手に沈んでしまった。
一方、そのライバルと目されていたニコ・ロズベルグ(メルセデス)はきっちりタイムアタックを決めポールポジションを獲得。2番手にはFP3でのクラッシュから復帰したペレスが食い込むがギアボックス交換によるグリッド降格ペナルティを受けてしまう。3番手にはリカルドが続いた。
19日の決勝日。同日にフランスでル・マン24時間レースが開催されていたため、そのゴールシーンと重ならないようにいつもより1時間遅らせてのレーススタート。ホールショットを奪ったロズベルグが後続との差を広げレースを進めていく。一番の強敵であるハミルトンは10番手からのスタートということで、混戦の中でレースをすることに。中盤には5番手まで浮上するが、トラブルによりペースダウン。今回は我慢のレースとなってしまった。
またグリッド降格ペナルティで7番手からスタートを切ったペレスが見せ場を作る。メルセデスのストレートスピードを生かし着実に順位をあげ、最終ラップでついに3位浮上。今季2度目の表彰台を獲得した。
結局、スタートからライバルを寄せつけない走りを披露したロズベルグが今季5勝目をマーク。スペインGPでの同士討ち以降、不運が続いていたが、自らの走りで悪い流れを断ち切った。2位にはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が食い込み、着実にポイントを重ねランキング3位をキープしている。
マクラーレン・ホンダ勢はアロンソがトラブルでリタイアを喫するが、バトンは粘り強く走り11位完走を果たした。
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