2016年のスーパー耐久第3戦「鈴鹿S耐サバイバル」の決勝レースが12日、鈴鹿サーキットで開催された。
今回の鈴鹿でのS耐は4時間耐久で初のナイトチェッカーが導入されるなど見所盛りだくさんのレース。朝から熱心なレースファンが集まり、決勝日だけで10,000人を動員した。しかし決勝日は朝から雨がパラつくなど、あいにくの曇り空。決勝直前には一瞬小雨模様となり各車ともにタイヤ選択に悩む場面が見られた。
結局、大半がスリックタイヤのままレースがスタート。序盤の6周目にコース上の落下物を回収するためセーフティカーが導入されたが、その後はリタイアするマシンもほとんど出ず順調にセッションが進行した。
総合でもトップ争いをするST-Xクラスは今季2連勝と絶好調のNo.24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rがトップをキープ。これをNo.3ENDLESS・ADVAN・GT-R、No.89HubAuto Ferrari 488GT3が追う展開となった。
ドライコンディションでは速さをみせていた24号車だったが、開始1時間を経過するあたりから雨が強くなり出し、レインタイヤを求めて1回目のピットストップへ。ここで24号車は平峰一貴のまま2スティント目に突入したが、3号車はYUKE TANIGUCHIに交替して2スティント目に突入していった。
開始1時間を過ぎるとコース上は完全にウエットコンディション。ここで驚くほどの速さを発揮したのが89号車のフェラーリ488GT3。こちらも2スティント目に突入した坂本祐也がGT-R勢より1周あたり4秒速いペースで周回し、37周目にトップ浮上。そのままの勢いで一時は20秒以上の大量リードを築いた。
スタートから2時間20分を過ぎたところで、89号車が2度目のピットイン。モーリス・チェンに交替。最終スティントに控える吉本大樹につなげるためにも、少しでもリードを維持したかったが、そのピットストップの際にピットロードでのスピード違反が判明。痛恨のドライブスルーペナルティを受けてしまった。
これでトップは再びGT-R勢。雨脚が強くなった中盤に2番手にたっていた3号車(峰尾恭輔)がラップリーダーとなる。
残り1時間をきって、いよいよナイトセッションに突入。トップを快走していた3号車は2番手以下に1分以上の差をつけて順調に走行。このまま今季初優勝へ向けまっしぐらかと思われたが、彼らにはもう1度ピットストップを行う必要があった。
ST-Xクラスでは国内外のトップカテゴリーで活躍のある「プラチナドライバー」が乗車できる上限が全体の40%(鈴鹿4時間では96分)と定められており、残り30分を切ったところで峰尾のスティント制限がきてしまう。そのため、勝負はまだついておらず緊迫した攻防戦が続いた。
そしてゴールまで残り30分というところで3号車が最終のピットストップへ。スタートを担当した山内が再び乗り込んでコースに復帰。幸いトップで戻れたが、背後にはNo.5Mach MAKERS GTNET GT-Rが迫っていた。
5号車は3人のドライバーが必要分を踏まえたロングスティントを敢行し2ストップ作戦で勝負。その結果、序盤こそST-Xクラスの中団グループにいたが、残りわずかというとこで優勝のチャンスを大きくした。
あっという間に2台は接近戦に。逃げる山内も他クラスのマシンをかわしながら応戦したが、残り18分のところでついに逆転。5号車を駆る藤波清斗はそのままの勢いで3号車を引き離しゴールを目指した。
ところが、チェッカーまで残り5分と迫ったところで、まさかのガス欠に。コース脇でストップしてしまうという予想外の事態が発生してしまった。これで再びトップを奪い返した3号車が101周を終えたところでトップチェッカー。念願の今季初優勝を飾った。2位には89号車のHubAuto、3位には24号車のスリーボンド日産自動車大学GT-Rが続いた。
今年は同じGT-Rで戦う24号車の先行を許していた3号車だったが、ようやくの今季初勝利。2年連続のチャンピオンに向けて大きな前進となった。
ST-2クラスは新菱オートDICXEL エボXがSUGO戦に続き2連勝。ST-3クラスはNo.38MUTA Racing TWS IS350が開幕3連勝を果たしている。
またST-4クラスはNo.86TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86がポール・トゥ・ウィン。ST-5クラスはNo.17DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-Dが優勝。ディーゼル・ターボ車で初の勝利を収めた。
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