SUPER GTを運営するGTアソシエイション(GTA)とドイツツーリングカー選手権をプロモートするITR GmgHは11日、都内で5回目となるステアリングコミッティ会議を開催し、日独の統一技術規則「Class One」の2017年9月の公表と、2019年シーズンからの規則導入を目指すことで合意した。
2013年7月から世界各地に点在するツーリングカーレースを将来的に同じ規則で統一していくため、GTAとITR、さらに北米のIMSAが協力。その運営委員会としてステアリングコミッティが設立され、2013年7月の第1回会議を皮切りに計4回開催されてきた。
2014年にSUPER GTがDTMと同一の車両規則を導入したことで将来的な技術規則統一と交流戦へ一気に加速したかに見えたが、その後の協議は暗礁に乗り上げた形で、なかなか前進するような話題が出てこなかった。
5回目となる今回の会議では、GTAの坂東正明会長と、ITRのハンス・ベルナー・アウフレヒト代表。さらに日本からはGT500に参戦中のニッサン、ホンダ、トヨタと、ドイツからもDTM参戦中のメルセデス・ベンツ、BMW、アウディの各代表者。日独合わせて6メーカーの代表者が出席して、合意事項が決められた。
1:両シリーズへの2019年シーズンからの「Class One」規則導入を目指す。
2:2017年8月までに「Class One」規則を作成し、同年9月に公表する。
これらの合意内容が記載された合意書に、両プロモーター代表をはじめ各メーカー代表者も同意のサインを行い、坂東会長とアウフレヒト代表は笑顔で握手を交わした。
坂東会長は、集まった報道陣に今回の合意内容に加え、「Class One規則の導入について、レースフォーマットの異なりを尊重しながら、可能な限り両シリーズの技術規則を統合していくことを確認し、このコラボレーションの、いわゆる“Class One”規則の共通仕様の目的の一つに、日本・ドイツメーカー/チームが一緒に走行する機会、ワールドファイナルの実現を挙げています」と確認事項についても語った。
また気になる交流戦について坂東会長は「当初は2017年末に1回交流戦をという話でしたが、マーケティングの部分や共通部品を増やしていくなど技術統合の部分で遅れが出てしまいました。今回のステアリングコミッティで再度確認をし合いながら、今後の我々とドイツ側とのコラボレーションを細部のところまで合意をし、2019年からの規則導入を目指すというところに至りました。2年ぐらい伸びることになりますが、その分17・18年で細かい部分まで全てクリアにして、きっちりとした規則統合を目指していきます」と語った。
アウフレヒト代表も「このような統合は容易ではないですし、統一レースを成立させていくための準備も簡単ではない。速やかに成果を出すため、まずは一刻も早い技術規則の統一が必要だと思っている」とコメント。交流戦に関しては、現段階では規則導入を予定している2019年前後になりそうだ。
今後もエンジンやタイヤの規則統一、さらに共通部品(EVパーツ)など、クリアしていかなければならない課題がたくさん残っている状態だが、SGTとDTMの完全な技術規則の統合へ、また一歩前進する1日となった。
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