【SGT】2016第2戦富士:ヘイキ・コバライネン、待望のSGT初表彰台に笑顔「昨年の苦労が報われた」

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 5月3・4日に開催されたSUPER GT第2戦富士。No.39DENSO KOBELCO SRAD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)が2位表彰台。元F1ドライバーで今年もSGTに挑戦するヘイキ・コバライネンにとっては待望のシリーズ初表彰台を勝ち取った。

 5番グリッドからスタートした39号車。今回のようなロングレースでは平手が長いスティントを担当することが多かったが、今回はスタートとゴースの2スティントをコバライネンが担当。序盤から上位の4台に果敢に攻めていく走りを披露した。

 中盤の平手のスティントを経て、最終スティントは再びコバライネンに。セーフティカー解除直後にすぐピットイン。ライバルの脱落にも助けられ3番手に浮上。一時はトップ争いをする2台のGT-Rの背後につけるほどの勢いをみせた。

 このまま3位フィニッシュかと思われた107周目にトップを走っていたNo.12カルソニックIMPUL GT-Rがタイヤバーストしリタイア。これで2番手に浮上し、2015年からの新体制以降、初めての表彰台を獲得した。

 昨年、F1での優勝経験があるコバライネンが日本のSUPER GTに挑戦するとあって開幕戦から注目を集めていたが、思うように結果が出ず苦戦。それでも彼は、このカテゴリーで必ず成功することを心に誓い2年目のシーズンに挑戦。さらにSUPER GTでのレースに集中するため、名古屋を拠点にし日本で過ごす時間を増やしてチームと密にコミュニケーションをとるようにしているという。そうした苦労の中で、ようやく掴み取った初表彰台。普段から険しい表情が多かったコバライネンも満面の笑みで、レース後の感想を語ってくれた。

©S.Nakagawa
©S.Nakagawa

 「とにかく嬉しいね。富士でのレースは自信があったし、予選から決勝にかけて大きなトラブルもなくマシン、タイヤともにうまく機能してくれたよ。ただ、GT-Rとミシュランタイヤのコンビネーションの方が現状は手強くて届かなかった。でもチームのみんなと掴めた今回の結果を誇りに思うよ」

 「昨年から最低でも表彰台を目標にしてきたけど、難しい1年になってしまった。でも、チームとともに問題を一つずつ解決していって、今年こそはという気持ちで臨んでいったよ。この第2戦で2位というポジションを勝ち取れたことは非常に大きい。昨年の苦労が報われたよ。我々が目標の一つとしていたものを成し遂げられて、チームのみんなも勢いに乗っている。次の目標に向かってチーム一丸となって向かっていくことができると思う。次は勝ちたいね」

 また今回の39号車の活躍には、2013年チャンピオンである平手の存在も欠かせなかった。2015年にセルモから移籍。新体制のチームで1年目はなかなか結果が出ず苦労したが、諦めずにチームを引っ張ってまとめ上げてきたことが、今回の2位表彰台という結果につながった。

©T.Yoshita/KANSENZYUKU
[昨年もレーススタート前まで積極的に情報を共有し合う平手とコバライネン]

 「このチームに移籍してきて、初めての体制で相方も初めてのSGTで、苦戦する部分がありました。それぞれが力を持っていても、それが上手く集結して(大きな力として)出し切ることができませんでした。このオフシーズンはチームの中での役割をしっかり、決めて彼(コバライネン)を含めたチーム全体のレベルアップのために過ごしてきたので、ようやく形になったので嬉しいです。チーム全体が勢いのっていて、この後のレースも良い状態でいけると思うので、この調子でどんどん前進していきたいです」とコメントした。

 平手自身にとっても表彰台は2014年第4戦SUGOでの優勝以来、約1年10ヶ月ぶり。昨年の苦労が報われたレースだっただけに自然と笑みがこぼれていた。

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 今回の2位で39号車は19ポイントでランキング3位。トップのMOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)から21ポイント離されてはいるが、彼らは次戦で80kgのウェイトハンデを背負うことになり中盤はさすがに快進撃を続けるのは難しい状況。その中でコバライネンが“次の目標”と掲げている優勝をつかむことができれば、シリーズチャンピオンの可能性も大きく出てきそうだ。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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