今年もSUPER GT開幕と同時にシーズンインとなったFIA-F4の日本選手権。そこに期待の若手女性ドライバーを擁し「miNami aoYama Project」が2台体制でエントリーしている。
2015年から始まった新しい入門カテゴリーで、今年は早くも昨年チャンピオン争いを繰り広げた坪井翔と牧野任祐らが全日本F3選手権にステップアップを果たしている。
女性ドライバーの育成と活躍をテーマに掲げているmiNami aoYama Project。昨年は1台のマシンでオーディションに合格した女性ドライバー数名でシェアする形で参戦していたが、今年は2台とも女性ドライバーを起用。昨年以上に体制を強化し開幕戦の岡山ラウンドから参戦している。
今までにない女性ドライバーをフォーミュラレースで積極起用する珍しいスタイルということもあってか、注目するファンも多く、開幕戦でもチームのガレージ前には彼女たちを応援するファンで溢れかえっていた。
注目のラインナップは、昨年からプロジェクトのドライバーを務める今橋彩佳選手と小山美姫選手。マシンデザインも昨年から一新され黒と紫をメインとしたカラーリングになっている。
まずは将来GTドライバーになりたいと昨年語ってくれた今橋選手。昨年は富士スピードウェイとスポーツランドSUGOの2ラウンドを経て、今年は開幕戦からエントリーを果たしている。
予選ではトラブルに見舞われ十分にアタックできず最後尾からのスタート。それでもスタートではライバルを追い抜く好ダッシュをみせ、第1戦は24位、第2戦は22位。いずれもグリッドポジションから10番手以上追い上げる走りを見せた。
とはいえ、上位争いにはまだまだ届かなかったこともあり、「まだレース慣れしていない部分もあって、安全に走りすぎてしまいました」とレース後も反省点も多い様子。それでも昨年と比べると明らかに表情にも違いが表れており、昨年のmiNami aoYama Projectでの活動で、確実に成長しているという印象を受けた。
「自分自身もそうだし、チーム全体の雰囲気もそうですが、完走しようねというよりも勝ちに行こうと気持ちが強いです。ドライバーとしても昨年2ラウンド経験して、オフシーズンは少しブランクが空いてしまいましたが、それでも頭の中で良いイメージができていたこともあって、ブランクがあった割に昨年よりも走れていたので、今年は頑張れば良いところにいけるかなと思っています。次の富士は昨年走っていますし、どこまで成長できているのか自分自身も楽しみです」
また今年からSUPER GTの参戦経験もある黒澤翼選手がマンツーマンでサポート。これも彼女にとってはプラスに働いているようだ。「レースの先輩ですし、的確なアドバイスをいつもいただいています。自分の経験上の延長線上で話をしてくれるので、経験をもとに的確なしてくれるので、すごく役立っています」
一方、昨年のオートポリスラウンドでデビューを果たした小山選手。今年は開幕戦から33号車を託された。
「父親がバイクが好きで4歳の時にポケバイを始めたのがきっかけでした。その後カートも始めるようになったんですが、父は負けるのが嫌いで『勝つまでやるぞ!』という感じで続けてきました」
「だんだん趣味から本気に変わっていって、カートを卒業していざフォーミュラに挑戦となった時に、どこでもいいから乗りたいという気持ちが強くて、最初はチームのお手伝いで掃除ばっかりしていました。そしたらシーズン中にチャンスが巡ってきて嬉しかったです。みんな優しくサポートしてくれるので、恵まれた環境だなと思っています」
小さい頃から父親と二人三脚で頑張り続け、ついに掴み取ったFIA-F4のシート。岡山ラウンドの予選では、一発の速さも披露。第1戦は17番手、第2戦は13番手につけ上位争いも狙えるポジションを獲得した。
しかし第1戦ではアグレシッブな走りをみせたが、途中自らのミスで接触し残念ながらリタイアに。リベンジにと臨んだ翌日の第2戦では13番手から一時ポイント圏内を走行するが、最終的にはライバルとのバトルに競り負け11位でフィニッシュとなった。
今年の目標は「優勝!」と語る2人。岡山では残念ながらポイント圏外でのフィニッシュとなったが、2人とも着実に昨年から成長し順位も上がってきている。それだけに今シーズンはどこまでポジションを上げてくるか、非常に楽しみなところだ。
なお、第2戦富士は小山選手が岡山ラウンドでの接触の影響でドクターストップがかかり、やむなく欠場。代わりに池島実紅選手が参戦する。注目のFIA-F4富士ラウンドは、3日に第3戦、4日に第4戦の決勝が行われる。
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