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【SF】“あのシーン、あのバトル”を一挙振り返り!2015シーズン総集編(1)
- 2015/12/29
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今年も激闘が繰り広げられた全日本選手権スーパーフォーミュラ。2015シーズンは石浦宏明が初のチャンピオンを獲得し幕を閉じた。しかし、石浦以外にも様々なドライバーが様々な場面で活躍。ハイレベルなレースだけになかなかオーバーテイクシーンがなかった印象におもわれがちだが、それ以上に白熱するバトルが多く見られたシーズンだった。
今回は複数回に分けて、スーパーフォーミュラ総集編と題して2015シーズンを振り返っていこうと思う。
<小林可夢偉、日本トップカテゴリーへ挑戦>
2015年の開幕戦。最初の話題といえば、やはり小林可夢偉のフル参戦だろう。前年までF1に参戦し、2012年の日本GPでは3位表彰台を獲得。その実力はセバスチャン・ベッテルをはじめF1でトップ争いをするドライバーたちも認めているほど。その可夢偉が今年は活動の場を日本に移し、今ではF1に引けをとらないくらいハイレベルなバトルが繰り広げられているスーパーフォーミュラへの挑戦を決めた。
よく「スーパーフォーミュラはF1より下のカテゴリーだから、F1ドライバーが乗れば速いにきまっている」という固定概念を持っている方が多いと思うが、可夢偉は参戦当初から「知らないコースが多いから、僕にとっては大きなチャレンジ」と慎重なコメント。実際に開幕戦では予選Q3に進出できず決勝でもわずかにポイント獲得ならず。もちろん、この結果に至ったのには様々な経緯があるが、スーパーフォーミュラはF1経験者が来てもいきなり勝てるわけではないレースなのだということが証明された1戦だった気がする。
<ロッテラー、一貴、山本のトップ争い…そこに待っていた“まさかの結末”>
注目の開幕戦。予選でポールポジションを獲得したのは山本尚貴(No.16 TEAM無限)だった。2リッター直列4気筒ターボに規定変更された2014年はホンダが大苦戦。どんなに頑張っても上位に食い込めない歯がゆさから、普段は感情を出さない山本もガレージでグローブの投げつけるほどだった。
その苦しい2014シーズンを経て迎えた新規定2年目。予選でライバルを0.3秒ぶっちぎりポールポジションを獲得。しかし決勝スタートでは上手くダッシュを決められずアンドレ・ロッテラー、中嶋一貴のPETRONAS TEAM TOM’Sの先行を許してしまう。ここかトムス2台が独走していくのが昨年までの流れだったが、今年の山本は違っていた。序盤から2番手の一貴の背後に食らいつき、チャンスがあれば抜きにかかる動きもみせていた。しかし、空力性能が優れているSF14のマシンでは接近戦に持ち込むのは難しく、順位は変わらないまま最終ラップへ。
その時だった、メインストレートを通過した山本のマシンから異音が発生。最初はガス欠症状かと思いペースを落としたが、ダンロップコーナーを登った先のところでエンジンがブロー。白煙に包まれマシンストップを余儀なくされた。これで激しいバトルを制した一貴が2位。山本は3位表彰台が目前だったにも関わらず“まさかのトラブル“でノーポイント。優勝はロッテラーだった。
2013年王者の山本と2014年王者の一貴。今思えば、この最終ラップが彼らの2015シーズンの明暗を分けた瞬間だったのかもしれない。
<石浦宏明が初優勝、新たなヒーローが誕生した瞬間>
第2戦の舞台は7年ぶりの開催となった岡山国際サーキット。ここでスーパーフォーミュラで新たなヒーローが誕生することになる。予選でポールポジションを獲得したのは石浦宏明(No.38 P.MU/CERUMO・INGING)。参戦6年目、待ちに待った初ポールにパルクフェルメでは珍しく涙もみせた。
翌日の決勝ではスタートからトップを死守。前半は着実にリードを広げるが、途中ピットストップを終えた後半スティントではSFで同じく初優勝を狙う小林可夢偉が接近。抜きどころが少ないコースで少しでもチャンスを見出そうとプレッシャーをかけるが、石浦も冷静に対応。最後まで鉄壁の走りをみせ、見事トップチェッカー。悲願の初優勝を勝ち取った。
2008年のデビューから、一時はシートを失うなど常に崖っぷちの戦いを強いられてきた石浦。パルクフェルメに帰ってくると、これまでの苦労をひとつひとつ噛みしめるかのように拳を握りしめ、ガッツポーズ。新たなヒーローが誕生した瞬間だった。
今思えば、この時は石浦をはじめ誰もが、今シーズンのチャンピオン争いを彼自身が引っ張っていくことになるとは、誰も想像していなかっただろう。
<“あの経験が生きた”オリベイラ、得意の富士で昨年のリベンジ>
第3戦は高速ラウンドとなる富士スピードウェイ。雨に見舞われた予選ではTEAM IMPUL勢が活躍。アンドレア・カルダレッリがポールポジションを獲得。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが2位につける。決勝ではスタートからオリベイラが抜け出すとそのまま独走。絶好調の走りで終盤を迎えた。
実はこの展開は昨年の富士戦と全く同じ。ところが昨年は終盤に降り始めた雨がきっかけとなり足元をすくわれ、まさかのスピン。あと数周走っていれば獲得できたはずの10ポイントを取り逃してしまった。
その悔しい経験を経て臨んだ今回。オリベイラは「昨年の経験が役に立った」と、終盤もし雨が降ってきても最後まで力強く走り切ることを心に決め、最後まで攻め切った。そしてチームにとっても今季初の優勝。出迎えた星野一義監督からも自然と笑みがこぼれるほど。第1、第2戦は表彰台を逃してしまっていたが、ここでの10ポイント加算で一気にチャンピオン争いにも名乗り出ることになった。
こうして前半戦が終了。次回はチャンピオン争いがより激化する中盤戦を振り返っていこうと思う。
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