2015年のMotoGP第15戦日本グランプリ。注目の決勝レースが11日(日)、ツインリンクもてぎで行われた。
昨日まではドライコンディションに恵まれていたツインリンクもてぎだったが、日曜日はあいにくの雨に。さらに午前中は霧も発生し、悪天候のためMoto2™、Moto3™を含む全てのカテゴリーのウォームアップセッションが延期に。結局予定より2時間遅れでセッションが始まったが、MotoGP™決勝は予定通り14時00分から24周で行われた。しかし、コンディションは昨日までと打って変わりウエットコンディションとなった。
ポールポジションはホルヘ・ロレンソ(Movistar Yamaha MotoGP)、2番手にバレンティーノ・ロッシ(Movistar Yamaha MotoGP)、3番手にマルク・マルケス(Repsol Honda Team)というフロントロー。スタートではマルケスが少し出遅れ、ロレンソとロッシが並んで1コーナーへ。2コーナーでイン側の主導権を握ったロッシがホールショットを奪う。しかしロレンソもすぐさま反撃し3コーナーでインを突きトップ奪還。それ以降は昨日までと同様に他を圧倒するペースを披露。追いすがるロッシを引き離し、10周を過ぎだ時点で3秒のギャップを作る。
一方、後方では日本人勢が躍進。15番手スタートの中須賀克行(Yamaha Factory Racing Team)は序盤から順調に順位を上げトップ10圏内へ。鈴鹿8耐でも共に戦ったMonster Yamaha Tech3のポル・エスパルガロ、ブラッドリー・スミスらと接近戦のバトルを展開。高橋巧(Team HRC with Nissin)も着実に順位を上げていく。
レース前半は予選同様にヤマハ勢のペースとなっていたトップ争いだったが、路面が乾き始めた中盤から流れが変わっていく。タイヤの消耗もあり少しずつペースが落ちていく上位陣の中で、6番手スタートだったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は1分55秒台を維持。11周目に3番手に浮上すると、一気にロッシに接近。16周目のV字コーナーでパスし2位に浮上。この時点でトップのロレンソとの差は3秒あったが、それもわずか1周ちょっとで追い詰めてしまい、18周目のダウンヒルストレートでインからオーバーテイク。まさに異次元の速さでヤマハ勢の牙城を崩し、ペースダウンに苦しむロレンソ、ロッシ置き去りにしていく。
このままチェッカーかと思われたが、残り3周というところでロレンソが3コーナーでミス。大きく膨らんでしまい、その隙をついたロッシが2位に浮上。熾烈なチャンピオン争いを繰り広げている2人だが、今回はロッシがポイント差を広げる形となった。
中盤の怒濤の逆転劇から、最後は独走。結局8.5秒ものリードをわずか6周で築いたペドロサがトップチェッカー。今季初優勝を飾り、世界選手権の通算でも50勝を達成した。2位にはロッシ、3位にはロレンソがそのまま入った。
また日本人勢は中須賀が8位、高橋が12位でポイントを獲得。今回急きょ代役参戦となった秋吉は苦戦を強いられたが19位で完走を果たした。
ウイニングランでは何度も何度もガッツポーズを繰り返していたペドロサ。今年は怪我で序盤の3レースを欠場するなど、満足に戦えておらず、勝利の美酒を味わうのも1年ぶり。「とにかく勝てたことが嬉しいし、チームの皆、ホンダ、応援してくれた全てのファン、家族、友達全てに感謝したい」とコメント。表彰台でも笑顔が絶えなかった。
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