2015年のSUPER GT第6戦SUGO。注目の決勝レースが行われた。今年は9月に開催が移動。秋晴れとなったSUGOにはシルバーウィーク中ということもあり28,500人のファンが訪れ大盛況となった。
狭いSUGOの1コーナーだがスタートでの混乱はなく、各車1コーナーを通過。その中でもNo.46 S Road MOLA GT-R(本山哲)のペースが良く、2番手のNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴)を引き離していく。予選からの勢いをそのままに順調に周回を重ねる46号車だったが、今週末は比較的穏やかにしていた「SUGOの魔物」がついに目を覚ます。27周目に後方で争っていたNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)とNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平)がバックスストレートでサイド・バイ・サイドに。この時に立川がダートまで押し出してしまい、平手はコントロールを失いガードレールにクラッシュ。マシンは大破したが幸いドライバーに怪我はなかった。
これによりセーフティーカーが導入。ちょうど1人のドライバーが走らなければいけない最低周回数を超えていたことから、31周終わりのピットレーンオープンと同時にほぼ全車がピットイン。狭いSUGOのピットは大混乱となってしまう。46号車は柳田に交替しトップでピットアウト。100号車も伊沢が乗り込み2位でピットを離れた。
しかし後続はピットを出ようとするマシンで出口付近が大渋滞を起こしてしまうハプニングが発生。これにより、ファストピットレーンを走行する車両を妨害したとしてNo.15 ドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GT(小暮卓史/オリバー・ターベイ)がレース後にタイム加算ペナルティとなった。
大混乱のセーフティーカーランとなったが、レースが再開されるとトップ争いにも動きが。前半スティントは46号車が優勢だったが、ピット作業を終えると100号車の伊沢が接近。37周目の1コーナーでインを突きトップに浮上。その後もGT300との混走をうまく利用し46号車との差を広げていく。
トップ争いは落ち着くがランキング上位のメンバーが揃って不運に襲われる。No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は前半に2度の黄旗追い越しをしてしまい、合計50秒のストップペナルティ。さらに後半にはタイヤバーストによる緊急ピットインもあり、大きく後退。11位でノーポイントとなってしまう。ランキング2位のNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)は39号車との接触でドライブスルーペナルティを受け10位(1ポイント)でレースを終えた。またランキング3位のNo.36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター)はピットスタートから始まり、エンジン交換が規定数を超えたことによりスタート後に10秒ストップペナルティ。SC中の混乱で順位を上げるが後半にトラブルでガレージイン。無念のリタイア。さらにランキング4位のNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も後半、12号車に追突。ドライブスルーペナルティを課さられ、ランキング5位のNo.37 Keeper TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)もピットストップ時にエンジンが切れていなかったとしてペナルティ。まさかランキング上位5台が揃ってペナルティを受けるという前代未聞の事態が発生。SUGOの魔物の仕業と言わんばかりの大波乱となった。
そんな混乱をよそに100号車は最後まで力強く快走。そのままトップチェッカーを受け、NSX CONCEPT-GT勢待望の今季初優勝を獲得。2位には46号車、3位にはNo.24 D’Station ADVAN GT-R(佐々木大樹/ミハエル・クルム)が入った。
チームクニミツとしては2013年開幕戦の岡山以来、また山本と伊沢はHSV時代のコンビも含め、4年目にして念願の初Vとなった。ここまで不運続きで、トラブルに悩まされたこともあったが、本来の力を存分に発揮した100号車。パルクフェルメでは伊沢を山本と高橋国光監督が出迎え、満面の笑みで喜んだ。
これでポイントランキングは12号車が51ポイントでトップのまま。100号車が今回の勝利で一気に49ポイントまで伸ばし2ポイント差の2位に浮上。10ポイント以内に6台がひしめく大混戦のまま次回第7戦オートポリスを迎える。
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