2015年のSUPER GT第4戦富士の決勝レースが行われた。気温30度を超える真夏日となった富士スピードウェイには夏休み期間を利用して36,400人のファンが来場。昨日にも増して晴天に恵まれ、3ヶ月ぶりに国内でのSGTSGT公式戦が開催された。
スタートからポールポジションのNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)がホールショット。3周目にはNo.36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター)が2番手に上がり早くもレクサス勢がワン・ツーを築く。その中でも38号車のペースが良く、前回タイのリベンジに燃える立川が独走。2位以下に5秒以上の差をつけていった。
30周を終えたところでピットインし石浦に交替。前回タイで果たせなかった勝利を目指した。ところが後方から思わぬライバルが出現する。昨日の予選ではまさかのQ1敗退となったNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)だ。中盤のピットストップで作業時間を短縮。3位に浮上すると、39周目には36号車を抜き2位へ。これまでとは明らかに違うペースであっという間に38号車の石浦の背後に迫る。最終コーナーで何度も並びかけるシーンがあったが、1号車は燃料リストリクター制限があるためストレートスピードが伸びず抜け切らない。結局38号車が有利のまま終盤を迎えたが、最後の最後で予想だにしなかったドラマが生まれた。
後半は5番手を走っていたNo.24 D’Station ADVAN GT-R(佐々木大樹/ルーカス・オルドネス)が残り15周からペースを上げる。ル・マン参戦の兼ね合いで今季初レースとなったクルムからバトンを受け取った佐々木。しばらくはNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也)と4位争いをしていたが53周目に4位に浮上。その勢いで一気にペースを上げ、3周後には36号車もパス。トップの2台にもあっという間に追いつく。
まずは残り6周の最終コーナーで1号車クインタレッリのイン側に飛び込み2位へ。そのまま石浦にも近づき、残り5周でストレートスピードの速さを利用してトップへ。今週末は38号車セルモが終始優勢に来ていたところを最後の最後に日産勢が逆転。グランドスタンドの日産応援団の席は大盛り上がりとなっていた。
トップ浮上以降も佐々木はペースを緩めず4.7秒の差をつけチェッカー。KONDO RACINGとしては2010年開幕戦以来となる5年ぶりのトップチェッカー。2位には38号車の立川/石浦組、3位にはこちらも終盤に怒涛の追い上げをみせたNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が入った。
佐々木にとってはGT500ステップアップ2年目での嬉しい初勝利。またクルムはなんと2004年第4戦十勝以来、11年ぶりの勝利の美酒となった。また近藤真彦監督にとっても嬉しい5年ぶりの勝利。Jsportsのインタビューでは「ここまで応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました」と語りながら、目に涙をにじませるシーンも見られた。
日産勢が躍進する中、どうしても上位フィニッシュの機会が少なかったKONDO RACING。長かったトンネルをようやく抜け出す1日となった。
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