午前11時30分にスタートした2015“コカ・コーラ ゼロ鈴鹿8時間耐久ロードレースは、19時30分にチェッカーを受け、[21]YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/ポル・エスパルガロ/ブラッドリー・スミス)が優勝を飾った。
灼熱のコンディションでスタートした今年の8耐は、戦前の予想通り0.1秒を争う大混戦の展開。1時間を経過してトップ4が10秒以内にひしめく混戦となった。1回目のピットストップを終えトップに浮上したのは[634]MuSASHi RT HARC PRO。2番手ライダーとしてケーシー・ストーナーが登場しサーキットに詰めかけたファンも釘付けになって観戦。しかし、次の瞬間に衝撃が走る。32周目のヘアピン手前でコントロールを失ったストーナーは、ハイスピードのまま転倒。バイクが激しく宙を舞った。バイクの損傷も激しくリタイアが決定。ハルク・プロの3連覇の可能性がここで潰えることになり、同時に強豪の一角が早くも姿を消すことになってしまった。
これでトップ争いはヤマハファクトリーと[778]F.C.C. TSR Honda、[12]ヨシムラ・スズキ・シェル・アドバンスに。しかし度重なるセーフティカーによりTSRとヨシムラはタイミングが合わず差が広がっていく一方。さらに4時間手前でヨシムラの津田が転倒。後半に破損したカウル修復にピットで大幅にタイムロス優勝争いから脱落していく。
折り返しを過ぎて、ヤマハファクトリーの独走状態ができ始めるが、彼らにも波乱が待ち構えていた。途中で黄旗無視があったとして30秒のストップ&ゴーペナルティが科せられてしまう。約1分近く積み上げてきた貯金がなくなり、TSRの先行を許してしまうが、MotoGPライダーの意地をみせたスミスが驚異的なペースで追いつき逆転。再びリードを築いていく。しかし今度は当初から懸念されていた燃費の面で問題が発生する。序盤から少しずつ燃費走行を見せてきたが、ペナルティでのロスを挽回するため急きょペースアップ。これによりライバルより1回多く給油が必要になる。
それでも3人のライダーが2分09秒台のペースで周回を重ね、最終的にピットストップに必要な時間を稼いでみせた。そして残り30分を切ったところで中須賀からアンカーのスミスに交替。直後に大きなアクシデントが発生しセーフティカーが導入。残り10分でレースが再開されると、序盤と変わらぬアグレッシブな走りを最後まで披露。そして19時30分を迎え、204周でチェッカーフラッグ。必勝体制で臨んだワークスチームが見事勝利を飾った。
2位にはTSRが入り、2年ぶりに表彰台を獲得。今年はライダー編成を一新し若い外国人ライダーを積極起用。特にエガーターはヤマハの強豪ライダー相手に一歩も引かない好バトルを演じてみせ、全日本で武者修行中のフックも成長が感じられるライディングを披露した。3位には[17]TEAM KAGATAMA(加賀山就臣/芳賀紀行/清成龍一)が入り、ドリームチームが3年連続で表彰台を獲得した。
19年ぶりにヤマハが勝ったということもあり、レース後のメインストレートはお祭り騒ぎに表彰式の間もヤマハコールが聞かれるほど盛り上がった。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。