2015年のF1第9戦イギリスGPの決勝が5日、シルバーストンで開催された。
今年は久しぶりにチャンピオンを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデス)の凱旋レースということもあり、金曜日から多くのファンがサーキットに駆け付け大盛り上がり。その声援を力に変えたハミルトンが、予選では見事ポールポジションを獲得。僚友ニコ・ロズベルグが2番手につけた。
しかしスタートでは両者ともにダッシュがつかず、2列目に控えていたフェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスのウイリアムズ勢が1コーナーを制する。一方、後方では多重クラッシュが発生。ロータスの2台やマックス・フェルスタッペン(トロ・ロッソ)、さらに地元レースのジェンソン・バトン(マクラーレン)もリタイアを余儀なくされてしまう。またチームメイトのフェルナンド・アロンソもフロントノーズを破損。地元レースとなったマクラーレン勢はいきなり苦戦と強いられる。
このアクシデントによりセーフティカーが導入。6周目にリスタートが切られると、ウイリアムズvsメルセデスの激しいトップ争いが繰り広げられる。当初はメルセデス勢が再び抜き去っていくのも時間の問題かと思われたがマッサ、ボッタスともに隙を与えない走りでポジションをキープ。1回目のピットストップのタイミングに差し掛かる。
何としても母国GPで優勝がほしいハミルトンは、アンダーカットを決行。18周目にいち早く1回目のストップを済ませると一気にペースアップ。ウイリアムズ2台がタイヤ交換をしている間に逆転に成功。これにはスタンドのファンからも大歓声が沸き起こった。その後も1分37秒台を連発し、25周目には2番手マッサに4秒差。早くも独走態勢を築きイギリスGP2連覇も確実かと思われた。
ところが、終盤に差し掛かるとイギリス特有の気まぐれな天気「ブリティッシュ・ウェザー」が展開を大きく変える。スタート時の晴天から一転し黒い雨雲が広がりだすと、残り20周を切ったあたりからポツポツと雨が降り出し、特にターン8〜9(旧ピット前)付近はウエットに。この変化で勢いをつけたのが、4番手を走行していたロズベルグ。雨でペースが落ちたウイリアムズ勢2台を一気にパスし2位に浮上。その後も驚異的なペースでトップの僚友を追いかける。
一方のハミルトン陣営は雨がさらに強まると判断し43周目にピットイン。ここでもいち早くインターミディエイトタイヤに履き替え、5番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)も同じ周にタイヤ交換を行なった。
この判断が見事に的中。ハミルトンは再びアドバンテージを取り戻し、ベッテルは翌周に入ってきたマッサ、ボッタスを逆転し3位浮上に成功した。終始、チームの好判断に助けられたハミルトンがそのままトップチェッカー。今季5勝目、通算38勝目を飾るとともに母国GP2連覇も成し遂げた。2位にはロズベルグ、3位にはベッテルが続き、序盤はウイリアムズ勢の活躍が目覚ましかったが、終わってみればお馴染みのメンバーが表彰台を独占した。
マクラーレン・ホンダのアロンソは、緊急ピットイン後も粘り強くレースを続け、終盤の雨のタイミングで早めにインターミディエイトにスイッチ。これで順位を大きく上げ10位でフィニッシュ。待望の今季初ポイントを手にした。
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