5月に滋賀県高島市で開催される「Wings for Life World Run」の記者発表会が19日に都内で行われ、アンバサダーとしてレーシングドライバーの小林可夢偉が就任することになった。
このイベントは、脊髄損傷の研究を国際的に進めている非営利団体「Wings for Life」への研究資金寄付を目的として始められたチャリティマラソン。通常は予め走破距離が設定されて競われるが、このイベントではランナーのスタート30分後に「キャッチャーカー」という車両が動き出し、決められたペースで追走。それに追いぬかれたランナーは、その場でレース終了となり走破した時間ではなく、距離が記録となる。世界33カ国、35会場で約5万人以上のランナーが同時刻にスタート。一番長い距離をキャッチャーカーから逃げ切ったランナーが世界チャンピオンとなるのだ。ちなみに昨年開催された第1回大会では男性ではルマワーク・ケティマ選手が78.57kmでグローバルチャンピオンに、女性チャンピオンはエリーズ・モルヴィック選手で54.79kmだった。
昨年の第1回大会に続いて、今回は2回目の開催。前回では元F1ドライバーのマーク・ウェバーをはじめ世界中のアスリートや著名人がアンバサダーとして参加。「Wings for Life」をより多くの方に理解してもらえるよう活動した。
2回目となる今回も世界33カ国、35会場で同時刻にスタートが切られる。初開催となる日本は滋賀県高島市の琵琶湖に面したコースが舞台となる。なお日本のスタート時刻は午後8時。夜間でのマラソンとなるため、参加者全員に専用のヘッドライトが配られるという。参加資格は18歳以上の男女、車椅子(日常生活で使うもののみ))での参加も可能となっている。参加費は税込5,000円で、大会参加費の全額と同額が脊髄損傷の治療研究の支援のために送られる。
アンバサダーには可夢偉の他にレッドブル・エアレース・パイロットの室屋義秀選手、100kmマラソン世界記録保持者で第1回大会の出場経験もある砂田貴裕氏、車椅子バスケットボール元パラリンピック日本代表で、ご自身も脊髄損傷を患っている京谷和幸氏が就任する。
この発表に合わせて可夢偉は脊髄損傷というもの深く理解するために渋谷で車椅子での生活を体験。発表ではその動画も放映され、渋谷の街での車椅子移動に四苦八苦する可夢偉の姿が幾度となく見られた。
この体験について可夢偉は「日頃は気にしていない交差点での小さな段差や、道路に空いた小さな穴に車椅子の車輪がとられてしまうというのを体験しました。これらを避けるためにどこを通るかなどを常日頃から考えなきゃいけないというのは、本当に大変なことだと感じました。このイベントを通して脊髄損傷というものをより多くの人に理解してもらってし、皆で手助けしていける環境作りに貢献していきたい」とアンバサダーとしての決意を語った。
放映中には、日頃から車椅子での生活を余儀なくされている京谷氏と車椅子の扱いについて映像を見ながら話す場面も見られた。京谷氏は「車椅子の生活がスタートした21年前、外に出て初めて感じたことと同じ感想を可夢偉さんにおっしゃっていただいて、ちょっと当時のことを思い出しましたね。でもこうして脊髄損傷になった人の生活の一部を体験していただいて、色んな人に知ってもらうということは素晴らしいことだと思います」と語った。
大会当日はスケジュールが合えば可夢偉も参加予定とのこと。「15~20kmはキャッチャーカーに追いつかれないように頑張りたい」と意気込みを語った。
エントリー方法や大会概要などの詳細は、「Wings for Life World Run」の公式サイトでご確認いただきたい。
「Wings for Life World Run」の公式サイト
『記事:吉田 知弘』
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