3月に開幕した2014年のF1世界選手権は、いよいよ最終戦アブダビGPを迎え、今季のワールドチャンピオン決定の瞬間を迎えた。
ここまで18戦を終えルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が334ポイントで首位。2位にニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が17ポイント差で追いかけている。最終戦はポイントが倍になるため、ロズベルグが優勝してもハミルトンが3位以下にならないと逆転タイトルは望めない。
22日に行われた公式予選ではQ3でライバルを圧倒しロズベルグがポールポジションを獲得。逆転チャンピオンのためにどうしても欲しい優勝に一番近いポジションを手にした。
いよいよ注目の決勝レース。夕日が沈みかける中でのスタート。1コーナーは好ダッシュを決めたハミルトンが制し、ロズベルグが続く展開。2台のシルバーアローによるマッチレースが繰り広げられたが、20周を過ぎた辺りからロズベルグのマシンにERSのトラブルが発生。徐々にペースを落としていき、フェリペ・マッサ(ウイリアムズ)、バルテリ・ボッタス(ウイリアムズ)らに抜かれてしまう。
思わぬ形でライバルが脱落したハミルトンはトップを快走。途中ピットストップの関係でマッサにトップを明け渡すものの、44周目に再びトップに浮上。2度目のチャンピオン獲得に向け周回を重ねていく。
一方のロズベルグは前を追いかけたくてもパワーダウンでペースが上がらない状態。特に残り10周を切ってからは症状がさらに悪化しポイント圏外へ脱落していってしまう。チームからもレースを諦めるよう指示が出たが、ロズベルグは拒否し何としても完走するために最後まで走り続けた。
トワイライトレースで行われた55周レースを完璧に走り抜いたハミルトンがトップでチェッカーを受け、今季11勝目。そして2008年以来となる自身2度目のワールドチャンピオンを獲得した。2位にはマッサ、3位にはボッタスが続いた。ロズベルグは1周遅れの14位に終わった。
何度もガッツポーズを繰り返し、イギリス国旗を手にウイニングランを行なったハミルトン。レース後には2人が笑顔で握手する場面も見られた。一時不仲説も上がっていたが、お互いにベストを尽くしトップを競い合った2014シーズンをたたえ合った。
また財政難で参戦できていなかったケータハムだが、今回は小林可夢偉とともに登場。残念ながら可夢偉は途中リタイアとなってしまったが、最後まで自分ができるベストな走りを披露した。
こうして2014年のF1シーズンは終了。来年はいよいよホンダがF1に復帰。また注目が集まるシーズンになりそうだ。
『記事:吉田 知弘』
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