2014シーズンの国内のビックレースが全て終了した11月23日、栃木県のツインリンクもてぎで今年も恒例のファン感謝イベント「Honda Racing THANKS DAY 2014」が開催され、13,000人のファンが来場し、サーキットは熱気に包まれた。
今年も国内外で活躍するドライバー、ライダーに加え現役のマシンやバイクから往年のレジェンドカーも登場。さらにサンクスデーならではのドリームレースも繰り広げられた。昨年は史上最年少でMotoGP王者に輝いたマルクス・マルケスの来場で沸いたが、今年は都合により欠席となってしまったが、オープニングセレモニーでは大型ビジョンで2人からビデオメッセージが流れ、ファンに「今シーズン応援してくれてありがとう!」と感謝の気持ちを伝えた。
今年の目玉は、何と言ってもにF1マシンのデモ走行。ホンダ・コレクションホールで現在も保存されているマクラーレン・ホンダMP4/4とMP4/6が登場。2台とも滅多に観られないマシンとあって、終日2台が置かれていたピットガレージには溢れんばかりの人が集まり、その姿を写真に収めていた。
ドライバーを務めたのはMP4/4がインディカー・シリーズで活躍中の佐藤琢磨。実は先月のF1日本グランプリで走行する予定だったが、雨天により中止。今回は晴天に恵まれ、かつてセナがドライブした憧れのマシンに乗車。当時最強を誇っていたホンダV6ターボエンジンのサウンドを思いっ切り響き渡らせた。
MP4/6には昨年に引き続きSUPER GTやスーパーフォーミュラで活躍する塚越広大が乗り込みデモラン。こちらは甲高いV12サウンドが20年以上経った現在でも健在。メインストレートでは全開に近いスピードで多くのF1ファン、ホンダファンを魅了した懐かしいサウンドを響かせた。
また、今年もサンクスデーならではのドリームレースを開催。2014年から始まった「N-ONE OWNERS CUP」のマシンを使用してガチンコレースだ。高橋国光氏、中嶋悟氏、金石勝智など現在はチーム監督を務めるレジェンドドライバーをはじめ、国内レースで活躍中の小暮卓史、松浦孝亮、山本尚貴、中嶋大祐が参戦。さらに2輪ライダーの伊藤真一氏やインディの佐藤琢磨も参加。まさに超豪華メンバーでのガチンコ勝負が繰り広げられた。
サイド・バイ・サイドあり、”上下関係”が絡むレース展開ありと終始スタンドで観戦していたファンからも笑い声が聞こえるほど見どころ満載のイベントになった。
結局優勝したのはスタートからぶっちぎりで攻めまくった琢磨。大先輩たちを差し置いてのトップチェッカーとあって、レース後は先輩方をフォローする場面も見られた。
午後にはホンダが誇るMotoGPバイク「RC213V」と国内最高峰のフォーミュラマシン「SF14」によるランデブーランが行われた他、新型NSX CONCEPT-GTとGT300クラスのCR-Z GTを使用してのスペシャルレースなども開催。今年はメインストレートに近い位置に設けられたビクトリースタンドはファンで埋め尽くされ、シーズン中を思わせるかのような熱気に包まれた。
そして、最後は再びマクラーレン・ホンダ2台がファンの前に登場。集まったファンはその走りを再び堪能していた。その後、この日のイベントに登場した全マシン、バイクがメインストレート前に整列。今年も思いっ切りエンジンを空吹かしさせてホンダサウンドが響き渡った。
今年はMotoGPで2年連続のチャンピオンを獲得したものの、WTCCでは好結果を残すことが出来ず、国内のSUPER GT、スーパーフォーミュラは新規定のエンジン、マシンの開発が思うように進まず苦戦が続いたが、諦めずに改良を重ね、両カテゴリーともに1勝ずつ挙げることができた。
来年はF1を中心に、全カテゴリーでどんなレースを見せてくれるのか?ホンダ陣営の活躍から目が離せない。
『記事:吉田 知弘』
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