2014年のSUPER GT最終戦もてぎ。GT300クラスは最後の最後までチャンピオン争いの行方が気になるレースとなった。
ポールポジションを獲得したのは、ここもてぎを得意とするNo.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)。スタートはビルドハイムが担当、好ダッシュを決めて1コーナーを通過する。この11号車に対して9ポイントリードしているランク首位のNo.4 グッドスマイル初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也)。3番手からスタートした片岡は3コーナーでNO.31 OGT Panasonic PRIUS(新田守男)の抜いて2位に浮上した。
チャンピオン争いをする2台によるトップ争いかと思われたが、両者のレース展開は明暗が別れた。トップの11号車ビルドハイムは順調にペースを上げ後続を引き離していく。一方、今週末は厳しい状態と語っていた4号車の片岡はスティント中盤から後続に追いつかれはじめ、追い上げてきたNo.10 GAINER Rn-SPORTS SLS(植田正幸/山内英輝)、No.21 Audi R8 ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢)に抜かれ4位に後退してしまう。
4号車にとっては3位以内がチャンピオン獲得への条件。ランク2位の11号車がトップでチェッカーを受ければ、4位以下になると逆転されてしまう。何としても挽回が必要だった4号車は27周目にピットイン。タイヤ無交換作戦を得意としているチームだったが、今回はしっかり4本とも交換。谷口が乗り込みコースへ戻る。谷口の頑張りとチームの迅速なピット作業が功を奏し33周目にピットインした21号車を逆転。3位を取り戻した。
しかし、今週末はマシンが決まらず苦しい状態でベストを尽くしてきた4号車だったが、スティントの後半になるとペースダウンが目立ち始め、次第に21号車の藤井が背後へ。何度か1秒後方まで迫られピンチに陥ってしまうが、谷口が必死で逃げ切りファイナルラップへ。その間に11号車の平中がトップチェッカー。逆転タイトルへの望みをつなぐが、谷口がなんとか守り切り3位でフィニッシュ。この結果2台は同じ78ポイントで並んだが、優勝数の差で谷口/片岡組がドライバーズチャンピオンを獲得。なおチームタイトルは1ポイント差で11号車ゲイナーが勝ち取った。
パルクフェルメに帰ってきた谷口をパートナーの片岡と片山右京監督が笑顔で出迎え、3人でチャンピオンボードを掲げガッツポーズ。初音ミク号としては3年ぶりのドライバーズタイトル獲得となった。
『記事:吉田 知弘』
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