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今年も10月10〜12日の3日間、静岡県の富士スピードウェイでWEC第5戦「6Hours of Fuji」が開催されました。今年は例年になく肌寒い週末になりましたが、幸い台風の影響も少なく、最後までドライコンディションで決勝が行なわれ、3日間トータルでの来場者数は51,000人(決勝日は32,000人)。現行WECになってからの中では過去最高の来場者数となりました。
F1と同じFIA(国際自動車連盟)が統括する世界選手権ですが、週末の様子はパドック内を見ても、イベント広場を見ても全く異なった雰囲気がありましたし、WECならではの”ルール”みたいなものもあって、色々と勉強になりました。
今回は少し期間が空いてしまいましたが、WEC富士の写真とともに現地の様子を振り返る「ヒトコマ集」をご紹介していきたいと思います。
基本的にメインになるのは土曜の予選日と日曜の決勝日なのですが、今年は金曜フリー走行日から多くのファンが訪れていたのが印象的でした。コースサイドはもちろん、ピットビル上にもLMカーの走りを観ようと熱心なファンがたくさんでした!
金曜日にはプレスカンファレンスも行なわれ、各クラスで特にチャンピオン争いを繰り広げるドライバーや地元ドライバーらが呼ばれて週末に向けて豊富を語ってくれました。
中でも印象的だったのが、LMP1で激しいバトルを繰り広げるマーク・ウェバー(ポルシェ)、中嶋一貴(トヨタ)、ロイック・デュバル(アウディ)の3人。終始穏やかな表情を見せていました。特に、昨年限りで引退したウェバーがまた日本で走る姿を見られるのが、我々もすごく嬉しかったですね!そして、スポット参戦で母国レース出場のチャンスを手に入れた井原慶子も会見に登場。この笑顔がとにかく印象的でした。
一夜明けた土曜日の富士スピードウェイは、朝から多くのファンが来場。イベント広場を中心に大盛り上がりでした。中でも、大盛況だったのはピットウォーク!
F1の場合、一般向けは木曜日にしか行なわれないピットウォークですが、WECでは土・日の2日間に約1時間程度きっちりと時間が設けられていて、主催者側から「ファンサービス・タイム」としてドライバー登場してサイン会を行う時間もきっちりと決められているのです。
それでも人気の選手はすぐに長蛇の列になってしまうため、国内レース同様に開始前から長い待機列が!時間になると係員の誘導に従って続々と入場。すると、FSWのキャラクター「チェカ」と、イメージガール「クレインズ」の皆さんが元気よくお出迎え〜♪
やはり人気なのはアンドレ・ロッテラー、ロイック・デュバル、ブノワ・トレルイエ、トム・クリステンセンなど日本と縁があるドライバーが在籍するアウディ勢。そして地元での3連覇を目指すトヨタ勢のピットも賑わっていましたが・・・
この週末で1番人気だったのはマーク・ウェバーが所属する20号車ポルシェのピット!多分3つ隣のピットまで列が伸びていました。ウェバーも時間いっぱいファンサービスを行なってくれました。
その列の中には、こんな手作り横断幕を持ったファンの方も!そういえば、右側の「KEEP BOXING MARK」というボード。確か昨年の鈴鹿で見たような・・・。日本にも熱心なウェバーファンが本当にたくさんいらっしゃるんだなということを改めて感じることが出来ました!
他のドライバーたちも笑顔が本当に絶えないピットウォークでしたね!
レベリオンのピットには、フォーミュラE開幕戦の最終ラップ最終コーナーで接触するという因縁ができてしまったニコラ・プロストとニック・ハイドフェルド。仲直りしてるかなと少し心配でしたが・・・2人とも目を合わさず黙々とサイン。しかもハイドフェルドはサインカードを投げるかのようにプロストに渡していました・・・(苦笑)
ピットウォークが終わると、いよいよレース本番。12日(日)午前10時00分。コースオープンとなり、各マシンがスターティンググリッドへ向かいます。そのグリッドには、今年も一般公募で選ばれたグリッドガールの皆さんが浴衣姿で登場!時期的には少し寒いですが「日本でのレース」という雰囲気を演出してくれる瞬間でしたね。
全車がグリッドに着くと、全ドライバーがポールポジション付近に集合。直前に行なわれたF1日本GPで大クラッシュし、今も集中治療室で懸命の治療が続いているジュール・ビアンキ選手の1日も早い回復を願うメッセージを込めてフォトセッションが行なわれました。本当に1日も早い回復を願っております。
スタートに向けて緊張感が高まるグリッド。ドライバーたちの表情も様々。中でも、一番笑顔だったのは国内レースでも大人気のフレデリック・マコヴィッキィ(ポルシェ)。これが今シーズン日本での最後のレース。ちょっと寂しかったですね(泣)。逆に、一番険しかったのがウェバー。うーん、渋いというか、なんというか・・・。
そして午前11時00分、決勝レースがスタート!!!
直後からLMP1は3メーカーが3ワイドになる大バトルになるなど白熱!ですが、次第に地元のトヨタ2台が集団から抜け出しリードを広げていきました。
6時間のレースをずっとスタンドで観ているのも良いですが、展開の動きが少ない耐久レースでは少し席を外してイベント広場でくつろぐというのも楽しみ方の一つ。今回、グランドスタンド裏にはトヨタ、ポルシェ、マツダ、アウディの4メーカーが大々的にPRブースを出展。特にアウディはVIP専用ラウンジを設けて最新のアウディ車も展示。この空間だけでも迫力がありました。
マツダでは1992年にル・マン24時間レースに出走した「MX−R01」、またトヨタには同年のル・マンで2位表彰台を勝ち取ったTS010が展示され、当時を知るファンは間近まで近寄って興味津々に見入っていましたね。
ここアウディとトヨタブースには大型ビジョンが設けられ、レース映像をライブで放映。休憩スペースでくつろぎながらレース観戦をしているファンの姿も見られました。
中央にはWECオフィシャルブースがあり、グランツーリスモの体験コーナーや特製プリクラが撮れるコーナーなど様々なコンテンツがありました。さらにオフィシャルステージでは音楽ライブもレース中に開催されるなど・・・日本のレースではあまり見慣れないシーンではありましたが、WECならではな光景であり、レース観戦をさらに充実させる楽しみ方の一つだなと感じました。
走行している間に日暮れを迎え、いよいよゴールの瞬間!結局、中盤以降はトップを譲ることがなかった8号車トヨタTS040ハイブリッドを駆ったアンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ組が優勝!2位に7号車が入り、地元富士で3連覇+ワンツーフィニッシュの快挙を成し遂げました!
レースが終わると、サーキット周辺は真っ暗。表彰台もライトアップされた中で行なわれました。3連覇の期待がかかり、少なからずプレッシャーがあった中で臨んだトヨタ勢。今シーズンも絶えず続けてきた努力が実った瞬間でしたね!
いかがだったでしょうか?
今回は少し駆け足での振り返りになってしまいましたが・・・
WECもF1や他の国内レースにはない魅力がたくさんあるんだな!と感じられた週末でした。
来年も10月に富士スピードウェイで開催予定。この時期はF1、MotoGPと世界選手権づくしでスケジュールの都合がつかないという方も多いと思いますが、是非機会を見つけて観に行ってみてくださいね!
『記事:吉田 知弘』
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