2014年のWEC第5戦富士6時間の決勝レースが12日(日)、静岡県の富士スピードウェイで行われた。
気温14度で分厚い雲に覆われる肌寒いコンディション。当初は台風も心配されたが、幸い決勝日の天気に影響はなさそうだ。
午前10時、27台のマシンがグリッドに整列しグリッドウォークがスタート。その前に全ドライバーが1番グリッド前に集合した。先週のF1日本GPで大クラッシュを喫し、今も懸命な治療が続けられているジュール・ビアンキ。彼と家族を勇気づけるために「Keep fighting Jules, We are with you.(ビアンキ選手、一刻も早い回復を我々皆で願っています」というメッセージとともに写真撮影に応じた。
午前10時57分。セーフティーカー先導でフォーメションラップがスタートすると、定刻通り11時00分に6時間の耐久レースの幕が切って落とされた。
ポールポジションの8号車トヨタ(セバスチャン・ブエミ)が先行しようとするが、フロントロー並んだ20号車ポルシェ(マーク・ウェバー)がストレートスピードを生かして並びかけ、後方からも何台ものマシンが前を目指して1コーナーは混乱状態に。ここでトップに立ったのはポルシェ。しかしトヨタも反撃に出て100Rからヘアピンにかけて仕掛けていく。そこに2号車アウディ(アンドレ・ロッテラー)も加わり、オープニングラップからトヨタ、ポルシェ、アウディが3ワイドのバトルを展開。訪れたファンも盛り上がった。
このままバトル状態が続いていくのかと思われたが、徐々にトヨタがペースを掴み他陣営を引き離していく。2時間を終えたところで8号車がトップ、7号車も2位で追いかけ、トヨタがワンツーで独走状態へ持ち込んでいった。
途中、LMP2クラスのマシン同士が接触。そこで落ちたパーツ回収のためにフルコースイエローが導入されたが、その他は特に大きなアクシデントも無くレースが進行。ただ周回を重ねる度に、確実にトヨタ2台だけが、後続とのリードを広げていくのが目立ち、地元富士に詰めかけたトヨタファンに”強いTS040ハイブリッド”を披露した。
結局、後半はピット作業による順位変動を除いてはワンツー状態が崩れることなく、17時00分を迎え、アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ組の8号車が236周を走破して優勝。今季3勝目を飾った。またアレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴組の7号車が2位に入り、開幕戦に続いてのワンツー・フィニッシュ。ただ、今回は地元富士でのワンツーとあって、チームスタッフの喜びも特別なものがあった。
3位にはティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ベルトラン・ハートレー組の20号車ポルシェが入った。スーパーフォーミュラにも参戦しているアンドレ・ロッテラー、ロイック・デュバルが乗るアウディ勢は予想以上の苦戦を強いられ、5・6位。井原慶子が乗り込んだ35号車OAK RACINGは総合9位でLMP2クラス3位に入り、母国レースで悲願の表彰台を獲得した。
『記事:吉田 知弘』
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