20日に決勝が行われたSUPER GT第4戦SUGO。予選4番手スタートだったNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘)が3位に入り、今季苦戦が続いていたホンダ勢がついに表彰台の一角を奪い取った。
決勝はスタート直前に降り始めた雨に各チーム翻弄。17号車もリスクを避けるためにウエットタイヤへの交換を選択するが、数周のうちに雨は止み路面もドライに。結局タイヤ交換し直しという大きなタイムロスを食らってしまう。
中盤に金石から塚越へバトンが渡されるが、すでにトップから1周遅れ。我慢のレースが強いられるかと思われたが、SUGOの魔物は今季トラブル続きで苦戦が続いていた17号車に対して、微笑みかけた。
残り20周付近から雨が再び降りだし、中団で順位を争っていたライバルたちは再びウエットタイヤを求めピットイン。しかし塚越とチームはスリックタイヤのままで走ることを決断。残り10周を切ったところで6位まで順位を上げると、他車より5〜6秒近く速いペースで激走。ついにはNo.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資)をパスし残り4周で3位表彰台圏内へ。その後も、約40秒近く離れていた2位No.37 Keeper TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ)を猛追。最終的に逆転することができなかったが、メインスポンサーであるKEIHINのお膝元であるSUGOで見事3位表彰台を勝ち取った。
レース後、満面の笑みでメカニック1人1人と抱き合った塚越は「今年はトラブルが続いて最後まで走れないレースばかりだったので、まず今回は全部走り切ることに集中しました。NSXが苦戦している中で表彰台を僕達がとれたというのは良かったと思います。」と笑顔でコメント。
また前半スティントでは我慢のレースを強いられた金石は「鈴鹿のテストから流れが変わって、良いセッティングも見つかりつつあるし、トップタイムをとれたことがチーム全体のモチベーション向上にも繋がって今回の結果が生まれたと思っています。」と、着実にマシンが進化し流れが良くなってきていることを実感している様子だった。
3メーカーの中では唯一独自路線を歩み、ミッドシップレイアウトでハイブリッドシステムを導入。そのため他車より70kg重いハンデをうけ、熱害によるトラブルも頻発していた。今回から規制が一部緩和され予選でもNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀)がフロントローの2番手を奪い取る活躍をみせ、また今回はトラブルで本調子ではなかったNo.18 ウイダーモデューロNSX CONCEPT-GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)も中盤に山本尚貴がコースレコードを塗り替えるファステストラップを記録。確実に今まで以上に存在感をみせつけた。
これで16ポイントに伸ばしランキング8位につけた塚越/金石組。最後に塚越は「昨年も後半から追い上げてチャンピオン争いができたので、まだまだ間に合うと思っています。ここから夏の連戦が続きますが、この調子でしっかりポイントを稼いで上位に追いつきたいです」と意気込みを語った。
17号車のみならず、ホンダ全体が確実な手応えを掴むことができた今回のSUGOラウンド。8月の富士、鈴鹿と夏の連戦が続くが、もしかすると他陣営も脅威に感じるほど手強い存在になりそうだ。
『記事:吉田 知弘』
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