2014年のF1世界選手権は早くもシーズンの折り返しに差し掛かる第9戦イギリスGPに突入。伝統あるシルバーストンで現地時間の6日(日)に決勝レースが行われた。
前日の公式予選では、イギリス特有の変わりやすい天気に翻弄されフェラーリやウイリアムズがQ1で敗退。さらに母国GPでポールポジションを目指していたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)も6位に終わるなど、大波乱の予選となった。その中でトップタイムを叩き出したのはニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)。今季4度目のポールポジションから2年連続のイギリスGP制覇を狙う。
決勝は一転して晴天になりドライコンディションになるが、予選以上に波乱の展開が待ち受けていた。スタートでは上位陣は順当に1コーナーを通過。しかし後方18番手からスタートしたキミ・ライコネン(フェラーリ)がコースオフ。復帰しようとした際にコントロールを失いスピン。背後に迫ってきていたフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)が回避できず接触。ライコネンはコース脇のガードレールにマシンを激しくヒット。その後方でも何台かのマシンが巻き込まれる多重クラッシュとなった。ライコネンは自力でマシンを降りたものの、足を引きずる仕草を見せ、マーシャルの手を借りてメディカルカーへ。その他のドライバーには大きな怪我はなかったが、このクラッシュで破損したガードレール修復のため、約1時間にわたって赤旗中断となった。
日本時間の22時05分にセーフティーカー先導という形で2周目を終えたところからレース再開。すると今週末好調のロズベルグはあっという間に後続を5秒以上引き離し独走態勢へ。2位には予選で出遅れたハミルトンが上がってきたが、チームメイトに追いつくことができない。今シーズンは全戦で2位以内に入る活躍でポイントランキング首位を走っているロズベルグ。ここイギリスでも優勝は確実かと思われた瞬間、誰もが予期しなかった事態が発生する。レース中盤の29周目に突入したロズベルグに、ギアボックストラブルが発生。コース脇に力なくマシンをとめ、そのままリタイア。ついにロズベルグにも“土”がついたた。
これでトップに浮上したのは母国GPのハミルトン。そのまま後半も1分38秒〜1分39秒のペースを維持。他を寄せ付けない走りで今季5度目のトップチェッカーを受けた。2位には後方から怒涛の追い上げをみせたバルテリ・ボッタス(ウイリアムズ)、3位にはダニエル・リカルド(レッドブル・レーシング)が入った。
母国GPでの嬉しい勝利を手にしたハミルトン。一気に25ポイント稼ぎ、ランキング首位のロズベルグとの差も4ポイントまで縮め、ここ数戦で少しずつ取りこぼしていた分を取り戻した。次回はロズベルグの母国であるドイツGP。ここでどちらのドライバーが勝利するかによって、後半戦のチャンピオン争いの展開が大きく変わってきそうだ。
『記事:吉田 知弘』
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