今年で81回目を迎えたル・マン24時間耐久レース。そのレースウィークがいよいよ始まった。14日(土)の決勝レースに向けて、現地フランスのル・マンは早くも熱気に包まれている。9日には市内のリパブリック広場で恒例の公開車検が行われ、今年の総合優勝争いで注目されるアウディ、トヨタ、ポルシェのLMP1カーがズラリと勢揃い。またLMP2、LM GTE-Pro,Am各クラスのマシンも登場。メカニックも入れての記念撮影などが行われた。
翌10日には、各チームのマシンが続々とサルトサーキットに運び込まれ、レース本番に向けての準備も進んでいる。またピットウォークも行われ、現地に詰めかけた多くのファンでピットロードが埋め尽くされるなど、盛り上がりを見せていた。
昨年まではアウディvsトヨタの一騎打ちとなっていたLMP1クラスに、今年からポルシェが参戦。3大ワークスによる激しい争いが予想される。その中でも、有力候補に挙げられているのが今季のWECで絶好調のトヨタ勢。開幕戦シルバーストン、第2戦スパ・フランコルシャンと強敵アウディを下して勝利をもぎとっている。6月1日に舞台となるサルトサーキットで行われたテストデーでも、アンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミ組の8号車がトップタイムを記録するなど新車TS040 HYBRIDも順調な仕上がりを見せており、今週末の予選・決勝でどれほどのパフォーマンスを発揮してくれるのか楽しみなところだ。
それに対向するアウディは今年は5連覇がかかる重要な1戦。WECフル参戦中のルーカス・ディ・グラッシ、ロイック・デュバル、トム・クリステンセン組の1号車とマルセル・ファスラー、アンドレ・ロッテラー、ブノワ・トレルイエ組の2号車に加え、3台目のR18 e-tron puattroを投入。例年通りの必勝体制で挑む。
そして注目を集めているのが、16年ぶりに最高峰クラスでワークス参戦するポルシェもダークホース的な存在になるだろう。今年のLMP1クラスは、久しぶりに見応えのある戦いが観られそうだ。
また日本勢では、今年も井原慶子がLMP2クラスから参戦。50号車のLARBRE COMPETITIONに乗り込む。1番下のクラスであるLMGTE-Amには、現在もSUPER GTで活躍するチーム タイサンがエントリー。70号車のフェラーリ458イタリアでクラス優勝を目指す。そのドライバーズラインナップの中には、本来予定がなかった中野信治が急きょ乗り込むことになっている。昨年はチームメイトのアクシデントでリタイアと悔しい結果に終わった中野。参戦クラスは変わったが、昨年のリベンジを果たしてほしいところだ。
そして、今年は2年ぶりに日産が新しい技術を取り入れた「ガレージ56」という特別枠でエントリー。昨年ル・マンで発表したZEOD RCで伝統の24時間レースに挑戦。現在SUPER GTで活躍中の本山哲、ルーカス・オルドネスらが乗り込む予定だ。
今年も話題満載となっているル・マン24時間レース。日本時間の11日(水)23時00分から早速フリー走行が行われ、12日(木)と13日(金)に計3セッションの予選が行われ決勝のスターティンググリッドが決まる。注目の決勝レースは(日本時間)14日(土)22時00分にスタートし、15日(日)22時00分にゴールを迎える予定。今年も多くのレースファンにとっては、ある意味で眠れない週末がやってきた。
『記事:吉田 知弘』
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