6月1日に決勝レースが行われた2014年のSUPER GT第3戦オートポリス。前回の富士では5台中4台がリタイアするなど、苦戦が続いているホンダNSX CONCEPT-GT勢。しかし今週末は波乱のレースになった中で粘り強く走り抜き、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀)が6位、No.18 ウイダーモデューロNSX CONCEPT-GT(山本尚貴/ジャン・カール・ベルネ)が7位、No.32 EPSON NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)が10位と3台がポイントを獲得した。
前日の予選では、エースである18号車の山本が赤旗などの不運でQ1脱落というハプニングがあったものの、100号車に加えNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘)もQ2へ進出。6,7番グリッドをそれぞれ獲得した。決勝レースでは17号車が30周目にトラブルでマシンを止めてしまうが、100号車は武藤、小暮とつなぎレース後半は6位をキープ。そのままチェッカーを受けた。
また18号車は今回初めてベルネをスタートドライバーに抜擢。チームは負担が大きくなると予想した後半スティントに山本を担当させることを決めた。序盤にGT300車両と接触があり、大きく後退するシーンも見られたが諦めずに挽回。山本が乗り込んでの後半スティントでは、前年王者のNo.1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)とのバトルに、サーキット全体の注目が集まった。
タイヤの消耗でペースが上がらない立川を、NSX CONCEPT-GTが得意とするコーナー区間で追い詰める山本。しかしストレートスピードではパワー負けを隠すことができず離されてしまう。一進一退の攻防が続いたが、山本は冷静にチャンスを待ち、46周目の第2ヘアピンで立川が膨らんだところを見逃さずにオーバーテイク。最終的に7位でチェッカーを受けた。まだまだトップ争いをするには、さらなるスピードアップが求められるホンダ勢。しかし前回富士の状況を考えると着実に改善はされてきている様子だった。
オートポリスでの第3戦を松本雅彦 Honda GTプロジェクトリーダーは、Hondaのリリースでこのように振り返っている。
「決して満足のできる成績ではありませんでしたが、開幕戦、第2戦に比較するとマシンの仕上がりに関しては着実な進歩が見られたレースでした。そうした中、暑さの影響で#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTにトラブルが発生したのは残念でした。ただし、次戦からは新しいエンジンを投入することで、今回を上回る成績を残せると考えています。引き続き5台のNSX CONCEPT-GTに熱いご声援をお送りくださいますよう、お願い申し上げます」
次回の第4戦(スポーツランドSUGO)から、全車エンジンが載せかえられることになっており、待望の新スペックを持ち込むことができる。序盤戦で後れを取った分、中盤戦でのホンダ勢の反撃に期待したい。
『記事:吉田 知弘』
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