2014年のSUPER GT第3戦オートポリス。GT300クラスはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)がQ1・Q2ともにトップタイムを記録。チームとしては今季初のポールポジションを獲得した。Q2で見事な走りを見せた佐々木はGT300クラス通算最多ポールポジション数の11回に伸ばし新記録達成というのが話題になったが、Q1を担当した井口にとっても、今回のPPは大きな意味を持っていた。
福岡県出身の井口にとって、ここオートポリスは地元レース。今週末もグランドスタンドには「井口卓人応援シート」が設けられ、長年彼を応援し続けてきたファンがスバルブルーのウェアを着てサーキットに駆けつけている。
スバルBRZの開発に携わってきた山野哲也の後任として抜擢された井口。開幕戦の岡山、第2戦の富士では今ひとつ流れに乗れず上位に進出できていなかった。しかし、今週末は朝の公式練習から速さをみせ、午後の公式予選へ。上位13台が次のラウンドに進出できるQ1を任されると、1周目から全開でアタック。いきなり1分45秒717を記録し、トップ通過をほぼ確実なものにした。ここで使ったタイヤが決勝レースのスタート時に履くものになる可能性があるため、そのまますぐにピットイン。地元レースでは、良い所をみせようとついつい気合いが入ってしまいミスをしてしまうことが多いが、今回の井口は冷静にチームに応える仕事をやってのけた。その後、バトンを受け取った佐々木がQ2で1分45秒335でポールポジション獲得。直接の獲得ではないものの、それに大きく貢献したのは間違いない。
予選を終えた井口は「嬉しいです。F3まで地元(オートポリス)で非常にいい結果を出していたんですが、それ以降は表彰台も立っていない結果が続いていました。自分が苦しい時でも毎回応援に来てくれるファンの方々がいらっしゃるというのは本当にありがたいです。今回は今まで噛み合わなかった歯車がきれいに噛み合ってくれていて、非常に良い流れで進んでいます。この状態を維持して、明日来てくれる皆さんに楽しんでもらえるようなレースがしたいです。そして、ずっと応援し続けてきてくれた皆さんに恩返しができるような結果を出したいですね。」と意気込みを語ってくれた。
これまでレースペースという部分が課題になっているスバルBRZ。おそらく明日も後方に沈んだFIA-GT3勢が息を吹き返し、トップを脅かす存在になることは間違いないだろう。しかし、今週末は予想以上に気温が上がっており、夏場に強いミシュランタイヤが大きな武器になってくれるはず。地元ファンの期待に応える井口の走りから、目が離せない。
『記事:吉田 知弘』
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