【F1】2014第4戦中国GP:レースレポート

©Pirelli
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 2014年のF1第4戦中国GPの決勝が、20日(日)に上海インターナショナルサーキットで開催された。

 前日の予選は雨に見舞われたが、決勝日は再びドライコンディションに。今回もルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がポールポジションを奪ったが2位にダニエル・リカルド、3位にセバスチャン・ベッテルとレッドブル・レーシング勢が好調シルバーアローの間に割って入り、4位にニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)という上位のグリッドとなった。

 スタートでは、レーシングラインであるアウト側の奇数列のドライバーが好ダッシュを決め、PPのハミルトンを先頭に、3番手ベッテル、5番手フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が続き1コーナーに進入。逆に出だしが遅れた2番手リカルド、4番手ロズベルグは順位を落としオープニングラップを終える。今季初優勝に向けて大きなチャンスがやってきた前年王者のベッテルだったが、ハミルトンを止めることはできず、1周あたり約1秒ずつ引き離されていく。

 なかなかペースが上がらない2位ベッテルに対し、まずは後方3位のアロンソが仕掛ける。11周目にいち早く1回目のタイヤ交換を済ませプッシュ。翌12周目にベッテルが入るが順位を守ることができず後退。さらに22周目にはロズベルグにもかわされ、ベッテルは表彰台争いからあっけなく脱落していく。

 昨日の予選でフロントローを奪われ、さらにスタートで6位まで後退するなど、苦しいレース展開になってしまったロズベルグだが、着実に順位を上げ中盤にはアロンソとのマッチレースに持ち込む。当初は6秒あった差を少しずつ縮め、30周すぎには1秒差に。ここでアロンソは33周目に2度目のタイヤ交換を済ませるが、ロズベルグはさらに周回を重ね、自らのピットストップ時間を稼ごうとプッシュ。37周目にタイヤ交換を行うが、結局アロンソをつかまえることはできず3位のまま。しかし、42周目に逆転を果たし2位へ浮上。また今回もシルバーアローのワン・ツー体制が出来上がった。

©Pirelli
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 ただ今回はハミルトンが前半の間に独走状態に持込み、ロズベルグの逆転劇もここまで。終盤は特に白熱したバトルないままレースが進行。ところが、前代未聞ともいうべき珍事が発生する。

 本来は56周で争われるはずの決勝レースだが、サーキット側のミスで55周目にチェッカーが出されてしまった。レギュレーション上、予定されている周回数より前でチェッカーが出されると、理由は何であれその時点でレースが終了。最終的に54周終了時点での結果が正式結果として採用され、優勝はハミルトン、2位ロズベルグ、3位アロンソという表彰台の顔ぶれになった。

 また日本の小林可夢偉(ケータハム)は18番グリッドから苦しいレースを強いられるが、粘り強く走り続け終盤にはジュール・ビアンキ(マルシャ)をパスに成功する。しかし、前述のチェッカーが早く振られたことにより56周目で追い抜いたことは正式記録としては残らず54周終了時点の17位でレースを終えることになった。

これで2014年最初の遠征ラウンドは終了。ゴールデンウィーク期間中の短いインターバルをおいて、次回は5月9〜11日に第5戦スペインGPが開催される。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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