鈴鹿サーキットで開催中の2014鈴鹿2&4レース決勝日。午前中に行われた全日本F3選手権で嬉しいニュースが飛び込んできた。これまでスーパーFJやフォーミュラ・チャレンジ・ジャパンで活躍した三浦愛がF3デビュー2戦目にしてNクラス初優勝を飾った。
前日に行われた第1戦で3位表彰台を経験した三浦。第2戦はNクラス3番手(総合11番手)からスタート。好ダッシュを決めてクラス首位に立ち、レースを引っ張っていく。ここまでは前日と同じ展開だったが、第1戦では後方からのプレッシャーに負け順位を守ることができなかった。そこでの反省点を生かし、冷静にペースをコントロールし、一時は後続に1秒以上のリードを築いていく。しかし、5周多い17周レース。体力的にも終盤はきつくなることが予想された。特に終盤は後続から猛攻が続き、何度も横に並び書けられるシーンがあったが、三浦は要所要所できっちり抑えこみ順位をキープ。悲願のトップチェッカーを飾った。
パルクフェルメに戻ってマシンを降りた時はいつもどおり冷静だった三浦。しかし、チームスタッフが駆け寄ると思わず涙ぐんでいた。「第1戦では初めてのF3のレースでいきなりトップに立つという展開で、変に緊張したというか肩に力が入ってしまいました。今日は昨日より5周多い17周でしたが、少しずつクルマにも慣れていましたし、昨日の反省点を踏まえて走ることが出来ました。マシンのセッティングも完璧で、ここまで努力してくださったチームの皆様に感謝したいです。最後まで安定して走ることが出来たので、勝つことが出来ました」とコメント。本人もデビュー2戦目で優勝できるとは思ってもいなかったようで、自らが手にした大きなものに動揺と興奮を隠し切れない表情だった。
普段はEXEDYの社員として働きながら、レースに挑戦する三浦愛。以前から鈴鹿ではカートやソーラーカーレース、スーパーFJなどで果敢に挑戦。常に笑顔が絶えない女の子として陰ながら彼女のことを応援するファンも少なくなかった。そんな中で今年から国内最高峰のスーパーフォーミュラへの登竜門と言われている全日本F3にステップアップ。女性ドライバーが同カテゴリーに参戦するのは18年ぶりとのこと。トップ集団とは異なり数年前の型式の車両で争うNクラスではあるが、その中でデビューレースから素晴らしい走りを披露してくれた。
次回は5月10・11日にツインリンクもてぎ(栃木県)で第3・4・5戦が行われる予定。今後の彼女の活躍から目が離せない。
『記事:吉田 知弘』
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