7日(金)に行われたHondaの2014年モータースポーツ体制発表で、元F1ドライバーのヴィタントニオ・リウッツィがSUPER GT(GT500)クラスに参戦することが正式に決定。多くのレースファンが胸を躍らせた発表になったことだろう。
2004年の国際F3000(現GP2)チャンピオンに輝き、翌2005年にはレッドブル・レーシングのリザーブドライバーに抜擢される。現在はF1の頂点に君臨するチームの創世記に関わっていたメンバーの1人だ。その年の第4戦サンマリノGPでレギュラードライバーに代わってデビュー。他チームの失格があったこともあり、いきなり8位入賞を飾った。2006年からは姉妹チームのトロ・ロッソでレギュラーシートを獲得。その後、フォース・インディアやHRTなどを渡り歩き、計6シーズン81レースに出走した。
2012年以降はWEC(世界耐久選手権)のLMP2クラスに活躍の場を移していたが、今年から日本でのレースにフル参戦。さらにスーパーフォーミュラにもHP REAL RACINGから参戦が決まっている。体制発表会後のファンミーティングに登場したリウッツィは、今季の抱負について、このように語ってくれた。
「日本で走れるのは嬉しい。文化も好きだし、ファンも好き。カートの時にもしばらく滞在したことがあって、当時から日本のファンはすごく熱心で、いつも追いかけてくれるので、開幕戦がすごく楽しみ。僕にとっては新しいカテゴリーでのレースだし、知らないサーキットもたくさんある。でも新しいチャレンジが大好きだから楽しみだね。チームメイトも経験あるドライバーだから不安もない。チャレンジジャーという気持ちでシーズンを迎えたいね。」
パートナーを組む松浦孝亮は、レーシングカート時代からライバルとして切磋琢磨してきた。ファンミーティングでリウッツィの印象について聞かれると「リウッツィはカート時代の頃から知っている仲です。2002年のドイツF3の時はライバルで、当時は凄く速くて“天敵”だったのを覚えています。その後もF1で活躍した彼と、こうしてコンビを組むことになるとは、思ってもいませんでした。カート時代の彼を知っているドライバーは、間違いなく“手強いドライバーがホンダにやってきた”と感じていると思う。ただ日本でのフル参戦は初めてだし、その辺は自分が手助けしていきたい。2人でチームをレベルアップさせて、最終的に2007年のような強いARTAに戻したいですね。」とコメント。リウッツィに期待する部分は少なからず大きいようだ。
昨年は第4戦SUGOで大荒れとなったレースを制したが、チャンピオン争いからは長らく遠ざかっている。このリウッツィの加入で、再びARTAがGT500のトップ争いに割って入る可能性も十分ある。新しいNSXの仕上がり次第では、台風の目になるかもしれない。
『記事:吉田 知弘』
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