【JAFGP】今年もメインレースはやっぱりレジェンドカップ!!今年の珍ペナルティは??

©T.Yoshita/KANSENZYUKU

 今年もJAFGP富士スプリントカップ2013のエキシビション戦として往年の名ドライバーたちがバトルをするレジェンドカップが行われた。

 これまでENEOS SUSTINAが冠スポンサーを務めてきたが、今年は初音ミクBMWのチーム運営にも携わるグッドスマイルカンパニーが大会をスポンサード。使用マシンは今年から新たに始まったGAZOO Racing 86/BRZ Raceの車両で、基本的に同レースに参戦するオーナードライバーとレジェンドドライバーがタッグを組み2人一組制。決勝中にドライバー交代があるという初の試みとなった。

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 今年も高橋国光、長谷見昌弘、鈴木亜久里、舘信秀、関谷正徳、片山右京、近藤真彦など、挙げればきりがないほど多くのレジェンドドライバーが参加。さらに特別に親子枠も設けられ、中嶋悟・一貴親子、星野一義・一樹親子、柳田春人・真孝親子らのコンビが実現。これまでイベントで共演することはあったが、こうしてレースで同じマシンで組むのは初となった。

 土曜日の夜には恒例のドライバーブリーフィングがメディア公開で行われ、大会競技を取り仕切るGTAの服部尚貴氏からレースについて説明。「今年は老眼の皆さんにも読みやすいよう、資料の字を大きくしました(笑)」「今回はピットインしてドライバー交代があります。ピットレーンでの著しいスピードオーバーが見られた場合、3600秒(=1時間)のタイム加算ペナルティとします!」と、今年もレジェンドカップらしいやり取りが飛び交い、和やかなブリーフィングとなった。

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 翌日曜日決勝レース。まずは現役ドライバーたちがスタートを務め規定周回10周のうちのどこかでピットインし、レジェンドドライバーが後半スティントを担当するルール。しかし、早速スタートからレジェンドカップらしい名珍バトルがスタートする。

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 昨年も見られたフライング。まずは星野親子組の息子一樹がフライング。これに対し競技委員は真っ先に「#60 ジャンプスタート 星野選手は父からの訓戒処分」というペナルティが出されてしまう。同じくフライングをした773号車(塚本/関谷組)と17号車(羽根/近藤組)は「腕立て伏せ30回」のペナルティが下された。早速始まったレジェンドカップ恒例のペナルティ集。これにはスタンドのファンも「今年も珍ペナルティが帰ってきた!」と盛り上がりを見せ始めた。レースは序盤から白熱したバトルが展開され、GTでも活躍する中嶋一貴、柳田真孝、谷口信輝らによる86でのサイド・バイ・サイドのバトルも繰り広げられた。

 2周を過ぎたあたりから各車がピットインをはじめ、レジェンドドライバーに交代。フライングで怒られることが決まっている星野一樹は3位まで順位を上げピットへ。父一義氏は「どけっ!」と言わんばかりに一樹を引っ張り出すとペナルティ消化のため、その場で叱責。これでタイムロスを余儀なくされてしまう。さらに焦ってしまったのかコースに復帰する際のピットロードを、なんと全開で通過。もちろんスピード違反で審議対象となってしまう。

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 前半は比較的クリーンなバトルが繰り広げられていたが、レジェンドたちが登場すると接触寸前のサイド・バイ・サイドのバトルが展開。しかし、今回はオーナードライバーたちから借りているマシンでもあるため、「接触行為があった場合、ぶつけた側もぶつけられた側もレース除外」という厳しいルールが設けられていた。そのため、今までのような軽い接触シーンはなかったが、いざステアリングを握ると前のマシンを抜くために限界まで攻め込んでしまうレジェンドたち。ついに9周目のダンロップシケインで関谷正徳と黒澤元治がわずかに接触。両者にレース終了のペナルティが告げられてしまう。さらにピット出口でスピード違反疑いのあった星野組の60号車に加え、長谷見/牧組の52号車、鮒子田/井上組の81号車もスピード違反出会ったことが判明。3600秒のタイム加算ペナルティを受けてしまった。

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 こうして、今年も面白ペナルティあり、レジェンド同士の白熱したバトルありでレースが進行したレジェンドカップ。最終的に谷口信輝/片山右京組の82号車が優勝を飾った。予選では昨年までのようなハンディキャップ制はなく一番現役に近い右京がトップタイムを記録。しかし「ありえない最高速を叩き出しため、グリッド降格とした!!!」というペナルティで21番手スタートとなってしまう。それでもSGTに加え86/BRZにもエントリーする谷口が前半で一気にトップまで浮上。後半スティントを任された右京は、背後に先輩でありライバルだった鈴木亜久里の557号車が迫ってきたものの、ミスのない走りでトップを死守。そのままチェッカーとなった。

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 エキシビションとは言え、久々のトップチェッカーを受けた右京。ウイニングラン中にはファンが詰めかけるスタンドの前で、まるでF1のセバスチャン・ベッテルを真似るかのように派手なドーナッツターンを披露。もちろん、これも禁止行為なのだが、競技委員は「右京さん、ドーナッツターンは禁止ですが冠スポンサーのためセーフ」という、なんとも大人の事情が絡んだ裁定を下し、谷口/片山組の優勝が決まった。なお2位には鈴木/大西組の557号車、3位には黒澤/吉本組の11号車が入った。

 こうして今年も大いに盛り上がったレジェンドカップ。来年以降は富士スプリントカップの開催予定がないため未定となっているが、是非また何かの機会に実現させてほしい1戦だ。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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