2013年のJAFGP富士スプリントカップ2013。GT300クラスの第2レースは、FIA-GT3勢による優勝争いとなった。
ポールポジションは昨日に引き継きS Road NDDP GT-R。今回は星野一樹がステアリングを握ったが、スタートで痛恨のフライング。ドライブスルーペナルティを受けてしまう。これでトップには高木真一(ARTA CR-Z GT)が浮上。今シーズン2勝しているマシンだけに逃げ切るのは簡単かと思われたが、シリーズ戦で苦戦したFIA-GT3勢も一矢報いるべく猛追をしかける。その中でも光った速さをみせたのが、人気アニメ「エヴァンゲリオン新劇場版」とコラボしているエヴァRT初号機アップルMP4-12Cの加藤寛規だった。
7番手スタートだったが、スタートで一気に3位まで浮上。星野のペナルティで2位に上がると、そのままの勢いでトップの高木に接近。7周目の1コーナーでトップに浮上した。今年SUPER GTに初参戦したマクラーレンMP4-12cでの初優勝のため、快調にプッシュをし続けるが、昨日の第1レースでも速さをみせたNISMO ATHLETE GT-R GT3のルーカス・オルドネスが2位に浮上し加藤を猛追。一時は1秒を切るところまでせっきんされたが、またしてもタイヤの消耗が著しく緊急ピットイン。後退を余儀なくされる。
これで後続とのギャップが一気に広がり楽な展開になるかと思われたが、悲願の初優勝へ最後の試練が待っていた。後半になってJAFGPでは毎回表彰台争いに絡むGAINER DICXEL SLSの平中克幸が順位をあげ、16周目に2位に浮上。そのまま加藤に追いつきチャンスを伺った。しかしストレートでの伸びで何とか逃げ切り、トップを守ったままチェッカーフラッグ。エヴァンゲリオンレーシングがSUPER GTで悲願の初優勝。加藤としても2010年のSUGO以来、約3年ぶりの優勝を果たした。2位には一歩届かなかった平中が入り、3位には終盤しぶとく追い上げた谷口信輝(GSR初音ミクBMW)が表彰台を獲得した。
昨年も紫電のラストランで吉本大樹が駆るアストンマーチンと激しいデッドヒートを繰り広げた加藤。チームに待望の優勝をプレゼントでき、パルクフェルメでは目頭を押さえるシーンも見られた。
「シリーズではノーポイントで、僕自身もこんなことは初めてでストレスの溜まる、苦労したシーズンでした。でも最後の最後にサプライズが待っていて、こうして勝つことができて良かったです。」とコメント。今シーズンは厳しい表情ばかり目立ったが、最後は満面の笑みでポディウムの中央に立った。
『記事:吉田 知弘』
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