2013年のSUPER GT第7戦オートポリスのGT300クラス決勝も、500クラス同様に大逆転の展開となった。悪天候の影響により急きょ午前中に行われた予選ではS Road NDDP GT-R(星野一樹/佐々木大樹)がポールポジションを獲得。DIJON Racing IS GT-R(高森博士/千代勝正)が2位に続き、GT3のGT-R勢が速さをみせ、逆にチャンピオンに王手をかけていたMUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴)が性能調整の影響を受け下位に沈む苦しい展開となった。
スタートではルーキーの佐々木大樹がホールショットを奪うと、そのまま後続を引き離しにかかる。これも前回富士と同じ展開だった、この3号車に追いついてきたのは昨年のオートポリス戦で速さをみせたExe Aston Martin(加納政樹/安岡秀徒)だった。7周目に安岡が佐々木をパスしトップに浮上すると、そのままリードを広げていった。佐々木も今季初優勝に向けてなんとか追いかけるが、その後方から前回富士を制したGSR初音ミクBMW(片岡龍也)が接近する。第5戦の鈴鹿1000kmで助っ人ドライバーとして参戦したヨルグ・ミューラー率いるBMWモータースポーツのスタッフの力を借りてパフォーマンスが向上して勢いに乗っている初音ミク号。37周目のピット作業で3号車を逆転し2位へ。残るは50号車のアストンマーティンのみとなった。一方の3号車は星野一樹にドライバー交代するも、40周目にマシントラブルで突然ストップ。悔しいリタイアを余儀なくされた。
各車がピットを終えたところでコース上は降り始めた雨の影響で少しずつ濡れ始めていく。ここでGT300クラスでもトップレベルのテクニックを持つ4号車の谷口信輝が本領を発揮。みるみるうちに50号車に近づき、ついに44周目の1コーナーでパス。8番手スタートから大逆転でトップに浮上する。その後も危なげない走りをみせた谷口はトップでチェッカー。見事2連勝を飾った。2位には50号車の加納/安岡組、3位にはOKINAWA-IMP SLS(竹内浩典/土屋武士)が入った。
パルクフェルメでマシンを降りた谷口は満面の笑み。「この前の富士で、残り2つも全部勝ちたいと言ったが、本当にそれが実現できて嬉しい」とコメント。ランキング首位のMUGEN CR-Z 武藤/中山組が9位に終わったことにより、こちらも最終戦もてぎでチャンピオン争いの決着が着くことになる。第6戦富士、第7戦オートポリスで一気に40ポイント稼いだ初音ミクBMWは一気にランキング2位に浮上。16号車と8ポイント差という位置につけ、逆転チャンピオンの可能性をさらに大きくした。こちらもGT500クラス同様に最終戦でのチャンピオン争いから目が離せない。
『記事:吉田 知弘』
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。