F1同様にアメリカのインディカー・シリーズも夏休み期間を終え、こちらは早くも終盤戦に突入。シリーズ第15戦がカリフォルニア州サンフランシスコ郊外にあるソノマ・レースウェイで、現地時間の25日(日)に行われ、3番グリッドからスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が今季初優勝を果たした。
レース前半はダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)がリードしたが、前半だけで5回もフルコースコーションになるという荒れた展開に、目まぐるしく順位が入れ替わり、35周を過ぎたあたりかた、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)とパワーによる一騎打ちとなっていく。今季4勝目に向け、追いすがるパワーに対して確実にアドバンテージを築くディクソン。ところが思わぬところに落とし穴が待っていた。64周目に、この日6回目のコーションが出されると上位陣は一斉に3回目のピットストップを敢行。大混乱となった狭いピットボックスで、パワーのメカニックが持っていたタイヤとディクソンのマシンが接触するアクシデントが発生してしまう。ビデオ判定の結果、ディクソン側の方に安全の配慮が足りなかったとしてドライブスルーペナルティが下され、一気に20位まで後退。これでトップの座を手に入れたパワーが逃げ切ってチェッカー。今季初優勝で、昨年のサンパウロ以来、約1年半ぶりの勝利となった。
2位には序盤のスピンで大きく後退しながらも、着実に順位を取り戻してきたジャスティン・ウィルソン(デルコインレーシング)、3位にはフランキッティが入った。
佐藤琢磨(AJフォイトレーシング)は、13番手からスタート。序盤で9位まで浮上し、順調なすべり出しをみせたが、19周目のリスタート直後に混乱に巻き込まれ他車と接触。サスペンションを傷めるほどのダメージを負うがチームは諦めずにマシンを修復。大きなタイムロスになったものの戦列に復帰する。しかし、終盤にコース上でスピンしたチャーリー・キンボールが体勢を立て直そうとした時にちょうど後ろからやってきた琢磨と接触。これが原因でリタイアを余儀なくされた。
佐藤琢磨コメント(Hondaリリースより)
「新品のソフトタイヤでスタートし、順位をいくつか上げることができました。マシンのセッティングもよかったようで、周りを走っていたライバル勢と同じペースで戦うことができていました。しかし、リスタート直後のターン3でスピンしたマシンが右側からコースに戻ってくる状況となり、接触してしまいました。傷めた右フロントサスペンションを修復してレースに戻ったのは、来年に向けてのデータを集めるためでした。大幅な周回遅れとなっていた私たちは、レースの邪魔をしないようにリスタートでは後方に下がるなどしていましたが、スピンをして止まっていた一台のマシンの横を通り抜けようとしたとき、彼が突然アクセルを踏み込んでぶつかってきて、リタイアを喫することとなりました。全く無駄なアクシデントだったと思います。次は得意とするボルチモアのストリートです。今週のレースからは気持ちをきっちりと切り替え、絶対に勝つという意気込みでレースに臨みます」
『記事:吉田 知弘』
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