フレデリック・マコヴィッキィの激走でトップを奪い返したウイダーモデューロHSV-010。対するMOTUL NISMO GT-R(柳田真孝)はなすすべがない状態になり始めていたが、チームは優勝を全く諦めていなかった。
139周を終えたところでトップの18号車と2位の23号車が同時にピットイン。ここで名門チームNISMOのメカニックに意地を見せ、迅速なピット作業を披露。ここでの逆転を狙ったが、18号車も素早く作業を済ませ、鼻の差で前に出てコースに復帰した。
ここまで数々のドラマがあった2013年のポッカサッポロ1000kmレース。GT500クラスは完全に18号車と23号車のガチンコ勝負という終盤戦になった。逃げる山本尚貴は、ここまで何度も初優勝に手が届きそうになりながら、後一歩及ばずのレースが続き、今シーズンも何度も悔しい思いをしてきた。昨日の予選を終えた後も「マシンが好調なのは確実だから、あとはミスやトラブルをなく1000kmを走るだけ。勝てるチャンスは十分にある」と冷静に語っていた。
一方、追いかける柳田真孝は、2年連続でチャンピオンを獲得し自他共に認めるSUPER GTを代表するエースドライバーの1人。今シーズンは名門NISMOに移籍し3連覇を目指す。開幕戦ではポールポジションを取れたものの、第3・4戦では自身が担当するQ1で敗退。今回はチームスタッフ全員がQ1突破のために努力し、その期待に応えポールポジションを獲得する原動力となった。「この流れを決勝でも維持して、しっかり結果を残したい」と予選後の記者会見でも語っていた柳田。
果たして、1000kmの女神はどちらのドライバー、どちらのチームに微笑むのか?その答えが、30周後に出ることになる。
『記事:吉田 知弘』
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