いよいよ決勝レースのスタートが数時間に迫ったSUPER GT第5戦ポッカサッポロ1000km。GT500クラスは予想通り、夏の暑さに強いミシュランタイヤユーザーによるポールポジション争いになり、MOTUL NISMO GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)がポールポジション。ウイダーモデューロHSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)が0.2秒差で2位につけフロントローを分け合った。
2年連続でチャンピオンを獲得し、日産のエースチームであるNISMOに移籍した柳田真孝とロニー・クインタレッリ。開幕戦岡山ではポールポジションを獲得したものの、第2戦以降は予選から苦戦。Q1で脱落してしまうことも多かった。
柳田真孝
「ここセパンとSUGOは僕が担当したQ1で落ちてしまって悔しい思いばかりしていました。トラフィックに引っかかった部分もありましたが最低でもQ1は通らなければいけないと思っていたので、本当に悔しかったです。今回の鈴鹿ではチームも凄く頑張ってくれて朝の段階でニュータイヤのチェックができるようにスケジュールを組んでくれたのですが、フィーリングがよくなくて予選は正直不安でした。でもエンジニアが“悪いイメージを捨てて思いっきり走って来い”と背中を押してくれて、最終的に良いタイムを出せました。」
ロニー・クインタレッリ
「公式練習からクルマの調子も良かったし、Q1での柳田選手の走りを見て、より自信を持てました。とにかく変なことは考えずに思いっ切りプッシュしました。52秒1も良かったのですが、周りの反応も気になったので、もう1周アタックに行ったけれど、明日もこのタイヤでスタートしなければいけない可能性もあったので、アタックをやめてピットに戻りました。セパンから予選が全然うまく行かなくて、この鈴鹿ではとにかく速さを求めて準備をしてきて、その結果が出たなと思います。」
そして注目の決勝レース。ポールポジションを獲得した彼らが一番警戒していると言ったのが2番手の18号車ウイダーモデューロHSVの山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組だ。
第3戦セパンから予選・決勝ともに速さを見せているが、ここまで不運続きで表彰台に登れていない。まさに“3度目の正直”となる今回鈴鹿では、予選Q1でマコヴィッキィがトップ通過。Q2では山本がステアリングを握ったが、わずかに届かず2位。それでも決勝に向けては自信を見せていた。
山本尚貴
「ポールポジションを獲れるチャンスは十分にあったし、Q2担当なので(PPをとる)目標を達成できなかったのは悔しい。ただ大きなミスもなかったのでやり切った感はあります。相手が速かったですね。セパンからずっとクルマの調子は良いので、あとは1000kmをきっちり走って結果を出すだけ。勝つチャンスは十分にありますし、それをものにしたいです。」
その山本のパートナーとなるマコヴィッキィは、欧州の耐久選手権で優勝経験もあるなど、経験豊富。今回はいつもより長い1000kmのレースということで“長い目”でみたレース運びを得意としている。
フレデリック・マコヴィッキィ
「これまで耐久選手権を主に参戦してきたから、最初は凄くスプリントなレースだなと感じたけど、今年はWECやル・マン24時間も参戦して色々な種類のレースが経験できて、それは自分にとってもプラスになっている。特にトラフィックの処理という点では共通している部分もあるしね。この経験を18号車にもフィードバックしていきたいね。明日のレースは本当に自信があるよ。チームも頑張って最高のクルマを仕上げてくれたし、尚貴もQ2で素晴らしい走りをみせてくれた。PPこそ取れなかったけど、フロントローからのスタートは大きな意味を持つ。レースが楽しみだよ。」
まもなくスタートを迎えるポッカサッポロ1000km。まずは23号車と18号車が先行する可能性は十分に高いが、2列目につけるレクサス勢。そして予選Q1では不運にも9位に終わってしまったREITO MOLA GT-R(本山哲/関口雄飛)の追い上げも気になるところ。
果たして、1周目からどんなバトルが展開されていくのか?いよいよ1000kmの長い戦いが始まる。
『記事:吉田 知弘』
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