SUPER GT第5戦ポッカサッポロ1000km。GT300クラスの公式予選は今回もSUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太/井口卓人)の独壇場となり、2位に0.8秒もの大差をつけてポールポジションを獲得した。午前中の公式練習から予選Q1・Q2と全てトップタイムで完璧な流れできているように見えたが、実はSUGO以降で設けられた性能調整が入り、車高が8mmアップ。これによりマシンバランスは7月の合同テスト時よりも大きく変わり、実際には苦労した一日だったという。
山野哲也
「SUGOが終わってから性能調整などで車高8mmアップなどもあり、鈴鹿はスバルにとって一番得意なサーキットなのですが、朝から結構うまく行かず、クルマが不安定な状態でした。昼のミーティングでどう克服するかを長い時間かけて話し込んで、午後の予選に繋げることが出来ました。予選のことは落ち着いてアタックしようと言う事だけを考えていて、それよりも決勝でのレースをより良いものにするためにタイヤを温存するようにしたり、今のBRZをもっと知って明日に向けて良くしなければということを考えていました。」
佐々木孝太
「予選ではQ1で山野選手が好タイムを出してくれたのでクルマに対する不安は少なくなっていました。アタックを振り返ると、タイミングがベストではなくてトップタイムだったけど他車に引っかかって満足のいくアタック出来なかったのが少し残念でした。でも、今回103戦達成のお祝いを鈴鹿でしてもらった中でポールポジションを取れたのは嬉しいです。」
そして迎える決勝レース。今まで予選では強かったものの、決勝ではトラブルやアクシデントで後退してしまう場面が多かったスバルBRZ。ここ鈴鹿はチームとしても優勝経験があり、自信はあるようだ。さらに今回は第3ドライバーとして井口卓人も加わり、チームのサポートを行っている。「決勝では自分が走るかどうか分かりませんが、なぜ僕がここにいてチームに何を求められているのか?を考えて、出来ることを全てやりたいです。」と語る井口。ベテランの2人にGT500でのレース経験のある若い井口が加わったことで、チームにも新鮮な空気が流れており、それが予選ポールポジションにつながったのだろう。
佐々木孝太
「やはりポールポジションからのスタートは一番リスクも少なく、マシンバランスは変わったにせよ、BRZにとっては相性の良いコース。勝つための条件は揃ったと思うので、皆で力を合わせて今度こそ勝ちたいです。」
山野哲也
「まだまだやらなければいけないことはたくさんあります。決勝に向けてのセットアップを明日のフリー走行で煮詰められるかが鍵になると思います。また、後方グリッドではありますが55号車(ARTA CR-Z GT)は気になる存在ですし、2番手の3号車(S Road NDDP GT-R)も要注意。1000kmと長いので気が抜けないレースになると思います。世界中のスバルファンに一日でも早くBRZの勝利をお見せしたいので、皆で一致団結して頑張りたいと思います。」
前回SUGOでは、終盤のタイヤ選択は裏目に出ての後退となってしまったが、それまでのレースペースは以前と比べても良くなっており、確実にシーズン序盤にあった課題は克服されつつある。今回は、単に速さだけでなく経験や粘り強さも求められる決勝。今度こそ表彰台の頂点を掴むことができるのか?スバルBRZの走りに注目だ。
『記事:吉田 知弘』
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