SUPER GT第4戦SUGO。GT500クラスの予選は全体的にタイム差が接近し、白熱したタイムアタック合戦が繰り広げられていた。その中で今季最高位の3位をゲットしたウイダーモデューロHSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)。前回セパンでは絶好調でありながら予選Q2で山本が痛恨のミスでコースオフ。決勝は8位スタートとなったが序盤から怒涛の追い上げでトップ浮上。マコヴィッキィにバトンを渡すがピットアウト時にエンジンがかからないアクシデントに見舞われ、無念の4位チェッカー。そのリベンジを果たすためにも、ここSUGOにかける思いは人一倍大きいだろう。
それを証明するかのように、前週の鈴鹿合同テストでは今までHSVの特徴でも会ったマフラーの後方1本出しを、RAYBRIG HSV-010、KEIHIN HSV-010らが使用している左右2本出しに変更。それをそのままSUGOで実戦投入し、今日の予選を迎えた。
Q1担当は今回が初のSUGOだというマコヴィッキィ。午前中の公式練習でも限られた時間しか走ることが出来なかったが、しっかりとコースを攻略し1分15秒604で6位。見事Q2にコマを進め、山本にバトンを渡した。前回のリベンジとばかりに、山本もここ一番の集中力でアタック。結果は1号車のREITO MOLA GT-Rに一歩及ばなかったが、今シーズンではベストとなる予選3位を獲得。セパンから始まっている良い流れを、ここSUGOでも発揮した。
山本尚貴
「最後はできれば全体的に雨がもうちょっと早く降ってほしかったなとは思いますし、現状、僕たちで出来ることは全てやれたと思うし、3番手からなので明日は十分に優勝争いに加われると思います。今回は左右2本出しマフラーになって、これはこれで良さがあるので、それを今日は十分に引き出せたかと思います。この調子で明日は表彰台がどうのではなく、勝てるチャンスがある時は勝ちたいので、優勝のみを狙います」
フレデリック・マコヴィッキィ
「朝の走りだしは霧もあって難しいコンディションだったけど、初めてのSUGOは楽しかった。特に高いポテンシャルを持ったGT500車両で最終コーナーに飛び込んでいくのは、本当にクレイジーだったね!予選はQ1を担当したけど、午前中と異なりドライでいきなり走らなければいけなかったから難しかったね。でも自分のベストを尽くして18号車をQ2担当の尚貴に託すことができた。明日は自分にとってGT500では初の表彰台がかかるレース、もちろん出来ればそのまま優勝したいね!」
そして注目が集まるのが明日の決勝レース。天気予報では雨が降るのか?それとも曇りでドライのままレースが進んでいくのか?直前になっても予想ができないほど微妙なコンディションになりそうだ。そこで彼らにとって今季強い味方になっているミシュランタイヤ。2人も「どっちのコンディションになっても自信はある。だた、雨の方がアドバンテージは少しあるし、走っていて楽しい」とコメント。
だからといって、ドライになった瞬間に彼らにチャンスがなくなると言う事はないと思うが、今日ポールポジション記者会見で出席したMOLA GT-Rの本山哲、関口雄飛の2人は「どちらかと言えばドライの方がいい」とコメントしており、同じミシュランユーザーでも意見が別れる形となった。
明日の決勝スタートは14時00分。この時点での天候は予想がある程度できても、実際にどうなるかは誰もわからない。毎年多くのチームを苦しめる“SUGOの魔物”。その中に数%だけ存在する“SUGOの女神”は、果たしてどちらのチームに微笑むのか?ここで勝てばチャンピオン争いにも加われる可能性が高いだけに、今季注目の2チームから目が離せない。
『記事:吉田 知弘』
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