【INDY】2013第11戦ポコノ:ディクソンが逆転で今季初V、琢磨は2戦連続リタイア

©INDY CAR
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 2013年のIZODインディカー・シリーズ第11戦ポコノの決勝が現地時間の7日に行われた。今回は1989年以来の開催となるペンシルバニア州のポコノ・レースウェイが舞台。普段とは異なる三角形オーバルでのレースとあって、注目を集める1戦となった。

 予選では地元ペンシルバニア出身nマルコ・アンドレッティがポールポジションを獲得するなど、アンドレッティ・オートスポーツ勢が最前列のトップ3を独占。決勝でも彼ら主導でレースが進むのかと思われたが、序盤から大荒れの展開が待ち受けていた。

 インディ500同様の3列態勢でグリーンフラッグが振られスタート。しかし、その直後のターン1で3番手のジェームス・ヒンチクリフがスピンしクラッシュ。早くも強豪の一角が姿を消しフルコースコーションとなる。5周目にリスタートが切られるとマルコと2位ライアン・ハンターレイとの間にトニー・カナーン(KVレーシングテクノロジー)が割って入り2番手へ。さらに7番手からスタートした佐藤琢磨(AJフォイト・レーシング)も徐々に順位を上げ、1回目のピットストップを終えた36周目に3位に浮上。首位のマルコを追いかけた。

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 レース中盤に差し掛かってもペースが落ちることなく、ハンターレイやカナーンと激しい2・3位争いを展開した琢磨。ところが、2回目のピットストップで痛恨のミスを犯してしまう。ハンターレイと同一周回でピットレーンへ進入した時にブレーキングのタイミングが噛み合わず追突。これで2台はリタイアを余儀なくされてしまった。これで優勝争いに絡むアンドレッティ・オートスポーツ陣営はマルコたった1人に。後半もカナーンやエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)らに追われる展開となったが、自身の今季初優勝に向けトップを死守。しかし燃費が思った以上に良くなく、終盤にペースダウンを余儀なくされ後退してしまった。

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 これで優勝争いの行方がわからなくなった終盤。勝敗を分けた最後のピットストップで大逆転を果たしたのが、ベテランのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。予選では7位タイムを記録していたがエンジン交換でグリッド降格し17番手からのスタート。それでも着実に追い上げ、残り28周でトップに浮上。そのまま最後まで集中力を切らさずにチェッカーを受け、今季初優勝を飾った。2位には終盤で追い上げてきたチャーリー・キンボール、3位にはダリオ・フランキッティが入り今季の決勝では好結果を残せていなかったチップ・ガナッシ勢が表彰台を独占した。

 注目のチャンピオン争いはカストロネベスが356ポイントで首位をキープ。2位ハンターレイ(333pts)、3位マルコ(301pts)と続き、琢磨はランキング10位(241pts)まで後退している。

佐藤琢磨コメント(Honda公式サイトより
「スタート直後からバトルを制してポジションを稼ぎ、リスタートでもさらに順位を上げて、いいポジションで戦うことができていました。あの時点で先頭に出るのは厳しかったかもしれませんが、トップはみえていましたし、同じペースを保つことも可能でした。1回目のピットストップのときにコースがグリーンで、あのときはピットロードへ入るところで減速し過ぎたほどでした。そこで、2回目はピット入口までもう少しプッシュしました。前を走っていたマシンをピットストップで抜いて順位を上げようと考えていましたが、ターン3からピット入口へのアプローチがオーバースピードになり、リアタイヤがロックしてマシンが横を向いてしまいました。あれは私のミスでした。勝てる可能性があったレースだけに本当に残念です」

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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