2013年のF1第8戦イギリスGP。今年もモータースポーツの聖地として知られるシルバーストンでは決勝グリッドを決める公式予選が現地時間の13時00分(日本時間21時00分)からスタートした。
気温18℃、路面温度32℃と午前中同様にドライコンディションで始まった予選Q1が。序盤はほぼ全車がハードタイヤを履いてタイムアタックを行う中、フリー走行3回目でワン・ツーのタイムを叩き出したメルセデスAMG勢はミディアムタイヤでコースイン。今週末に28歳の誕生日を迎えたニコ・ロズベルグが1分31秒355で午前中に自身が出したベストタイムを上回ると、母国GPを迎えたルイス・ハミルトンが1分30秒995とチームメイトを上回る走りでQ1トップ通過。3位にはキミ・ライコネン(ロータス)が1分31秒400で続いた。このQ1は予想以上に各車が僅差の争いとなり、3位から15位までの13台が0.8秒以内にひしめく大接戦。今週末は今ひとつ調子に乗れないフェラーリ勢はフェリペ・マッサ14位、フェルナンド・アロンソ15位とギリギリでのQ1通過となった。
続く15分間のQ2でもロズベルグが1分31秒028、ハミルトンが1分31秒224とメルセデスAMGの2台が上位を独占。このままの順位で行くのかと思われたが、ここでチャンピオンが本領を発揮。残り6分、新品のミディアムタイヤを履いたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が満を持してコースイン。完璧に1周をまとめあげ1分30秒990でトップ浮上。終盤に2回目のタイムアタックを行ったウェバーも1分31秒002で2番手を奪いレッドブルがワン・ツー通過を果たした。さらに今週末は好調なフォースインディア、トロ・ロッソ勢も上位に食い込み、母国GPのジェンソン・バトン(マクラーレン)が11位でQ2ノックアウト。マッサもここで姿を消すことになった。
そしてポールポジションが決まるQ3はメルセデスAMG2台とレッドブル2台による激しいタイムアタック合戦に注目が集まった。その中でも一番の速さを見せたのは母国GPで何としてもポールポジションがほしいハミルトン。1回目のアタックで1分30秒076を叩き出すと、新品ミディアムタイヤに履き替え再度コースイン。チームメイトが1分30秒059で好タイムを記録したのにも全く動じず、ハミルトンはさらに上回るペースで周回し、新生シルバーストンのコースレコードを塗り替える1分29秒607をマーク。今季2度目、通算28回目、母国イギリスは2007年以来となる2度目のポールポジションを獲得した。2位にはロズベルグが入りメルセデスAMG勢がフロントローを独占。3位ベッテル、4位ウェバーとレッドブル勢が2列目に続き、チャンピオン争いを繰り広げるライコネンは9位、アロンソも10位と5列目に沈んだ。
新生シルバーストンでのコースレコードを塗り替える素晴らしいアタックをみせたハミルトン。パルクフェルメに戻り、マシンを降りて観客に手を振ると、サーキットにつめかけた10万人近いファンから大歓声が沸き起こった。「本当に嬉しい。(母国初PPの)2007年を思い出すよ。スタンドからのファンの声援は本当に後押しになったし、最後のラップ彼らに喜んでほしくて攻めた。チームも凄く頑張ってくれて、この結果が生まれた。本当に感謝しているよ。今週末はここまで100点という内容がなかったけど、最後に完璧な内容の走りができた。」と記者会見でコメントした。
注目の決勝は日本時間の30日(日)21時00分からスタート予定。レースは52周で争われる。予選では速さを見せるが決勝ではタイヤマネジメントに苦しんでいるメルセデスAMG勢。今回は好調レッドブル勢を相手にどんな展開をみせてくれるのか?決勝も目が離せない。
『記事:吉田 知弘』
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