今回、自身初のル・マン24時間耐久レースに挑戦している小林可夢偉。彼がエントリーしているLMGTE-PROクラスの予選はアストンマーティン勢が速さをみせワン・ツーを独占。さらにここまで影を潜めていたポルシェ勢も躍進し92号車がクラス3位につけた。一方、可夢偉/トニ・バイランダー/オリビエ・ベレッタ組の71号車AFコルセ(フェラーリ)は初日のタイムを更新できず6位に終わった。
2日間に渡る予選セッションを終えた可夢偉は、公式配信している動画メッセージで登場。今回の予選を振り返り「アストンマーティンは遥か彼方のスピードだったので、この結果は仕方ないかなと思います。このレースの前にBOP(性能調整)が行われ、色々変わったんですが、それが我々にとって不利に働く結果になったし、逆にポルシェも速くなってしまったので、若干ピンチです。」とコメントした。
GTE−PROクラスに参戦する各マシンの性能の差を均一にするために調整作業、通称「BOP(バランス・オブ・パワー)」。WEC開幕戦シルバーストンと第2戦スパの結果を踏まえて主催者側で再度各陣営の性能調整数値を再設定。それを施した上で今回の予選が行われたのだが、フタを開けてみればAFコルセが使用するフェラーリ458にとっては不利な変更内容になってしまったとのこと。これにはいつも前向きな可夢偉も珍しく弱気な発言が目立ち、動画での表情も少しお手上げという印象を受けた。
しかし、今回はシーズン最長で世界各国で行われているレースでも最も過酷と言われているル・マンでの24時間耐久レース。この決勝レースに向けて可夢偉は「今回は24時間と長いので、何が起こるかわからないし、実際に予選の結果はそこまで重要だとは思っていないです。まずは我々がトラブルなく最後まできっちり走れるように自分たちのベストを尽くしていきたいです。」と意気込みを語った。
予想以上に苦戦が強いられる展開になりそうな今回の決勝レース。それでも19日に行われたフリー走行ではクラス2番手タイムを叩き出しており、クラス首位争いに食らえ付いていける可能性も十分残っている。全く未知の体験となる24時間耐久レース。不運なアクシデントやトラブルに見舞われるシーンもあるかもしれないが、昨年までのF1でみせたような最後まで諦めない粘り強い走り、そして何より“可夢偉らしい”アグレッシブな走りを期待したい。
『記事:吉田 知弘』
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