2013年のIZODインディカー・シリーズ第9戦ミルウォーキー。15番手からスタートした佐藤琢磨(AJフォイト・レーシング)は序盤のフルコースコーションを利用するなど、着実に順位を上げていき、69周目にトップ浮上。レース全体の約半分近い109周もラップリーダーの座を守り続ける快走をみせた。しかし、レースも終盤にさしかかる184周目のターン4でバランスを崩しアウト側に大きくはらんでしまう。幸いウォールへのクラッシュは免れたが、大きくタイムロスとなってしまい3位に後退。さらに少し早めに済ませた最終ピットストップの直後にフルコースコーションが出され、逆転優勝のチャンスを絶たれてしまった。なんとか7位でチェッカーを受けた琢磨だったが、“全てのタイミング”があえば優勝だっただけに、レース後のコメントからも悔しさがにじみ出ている。
佐藤琢磨コメント(Honda公式サイトより)
「本当にエキサイティングなレースでした。ピットストップで毎回セッティングを調整し、着実にポジションを上げていきました。マシンはどんどん向上し、レースの折り返し点を迎えるまでには最高のハンドリングとなっていたほどでした。ドライビングを存分に楽しんでいました。先頭を走っても、トラフィックの中に入ってもマシンは力強く、レースの中盤戦でのマシンのバランスのよさには本当に満足していました。ところが、レースの終盤に入ってマシンのリアが突然グリップを失いました。コースのアウト側に大きくラインを外れ、ポジションを落としました。マシンになにかトラブルが出ていると考え、早めのピットストップを行って新しいタイヤを装着し、追い上げる作戦に出ました。勝てる自信はありました。しかし、タイミングの悪いフルコースコーションが出され、まだピットストップを行っていないライバルたちの後ろの7番手に下がってしまいました。その上、最後のリスタートのあとは、私を除く全員がフレッシュタイヤを装着しており、彼らを抜き返すのは至難の業でした。ピットクルーはレースを通してすばらしい仕事をしてくれていました。今日また、A.J.(アンソニー・ジョセフ・フォイト)に笑顔を届けることができると思いましたが、あと少しのところでしたね。チームはすばらしいレースを戦っていましたが、結果は残念なものになりました。とても悔しいです」
ファンにとっても彼自身にとっても悔しい結果となってしまった今回のミルウォーキー。しかしギリギリのところでの好判断でクラッシュを未然に防ぎ、29ポイントを獲得。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)を抜いてポイントランキング4位に浮上した。
次回は琢磨が初めてポールポジションを獲得したアイオワ。一旦は失いかけた流れが少しずつ戻ってきているだけに、次のレースでは2年前のような予選での快走を期待したい。
『記事:吉田 知弘』
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