[小林可夢偉が駆る71号車フェラーリ458イタリア(©DPPI MEDIA)]
2013年のWEC第2戦スパ6時間の決勝レース。小林可夢偉/トニ・バイランダー組の#71AFコルセが参戦するLM GTE Proクラスは終盤まで接戦が続いた。
序盤からワン・ツー態勢を築いていたAFコルセ勢。ジャンカルロ・フィジケラ/ジャンマリア・ブルーニ組の51号車が進路妨害などでペナルティをとられる中、71号車は大きなアクシデントもなく、トップで半分の3時間を折り返す。しかし思ったほどペースが伸びず、残り2時間を切ったところで51号車が再びトップに浮上。序盤は苦戦していた開幕戦の覇者#98アストンマーティン・レーシング(ブルーノ・セナ/フレデリック・マコヴィッキィ/ボブ・ベル)も少しずつ追い上げを開始。特にアンカーのマコヴィッキィにバトンが渡されると、一気にペースアップしAFコルセの2台を猛追する。
SUPER GTでウイダーモデューロHSV-010のドライバーも務めるマコヴィッキィは4月29日(月)の第2戦決勝を終えると、すぐにヨーロッパへ移動してWECに臨むというハードスケジュール。それにも関わらず、序盤の遅れを取り戻すべく2分19秒台のペースで追い上げていく。残り1時間を切り、AFコルセ勢が最後のピットイン。71号車はバイランダーから可夢偉に再度バトンを渡しアンカーを任せる。トップを快走していた51号車もピットインし、これでトップは98号車を駆るマコヴィッキィ。これまでのプッシュが功を奏し、最後のルーティーンストップを行なってもトップで戻れるだけのリードを築いたが、ここにきてレース前半にあったセーフティカー中に違反があったことが判明し、痛恨のストップ&ゴーペナルティを受けてしまう。2位でコースに復帰した98号車マコヴィッキィ。すぐ目の前にいる51号車を追いかけようとするがペースが伸びず、逆に3位を走る71号車可夢偉に迫られる展開になった。
残り10分、他のクラスはほぼ勝敗が決している中、GTE Proクラスは2位争いが白熱。混走状態の中、可夢偉は上手く他クラスのマシンを掻き分けてマコヴィッキィを猛追。両車のバトルは最終ラップまで続いたが、結局マコヴィッキィが逃げ切り1秒先にチェッカー。可夢偉は最後の最後まで激走をみせたが、あと一歩及ばず3位。2戦連続でクラス表彰台を勝ち取ったが、またしても課題が残るレースとなった。
GTE Proクラスの優勝はフィジケラ/ブルーニ組の51号車AFコルセ。途中2度のペナルティを受けながらも、最後は見事に挽回し今季初優勝を飾った。
次回のWECは伝統のル・マン24時間耐久レースがシリーズ第3戦として開催。6月22日(土)に決勝がスタートし、24時間後の23日(日)にゴールを迎える予定。可夢偉にとっては初の24時間耐久レース。目標のクラスも十分に狙えるポジションだけに、次回のレースも見逃せない。
『記事:吉田 知弘』
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