SUPER GT第2戦の決勝、スタートから終始MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴)がリードしてきたGT300クラスは、最後の最後でまさかの展開が待ち受けていた。
第2スティントを担当した中山友貴も安定した走りで後続に40秒近い差をつけ独走。75周目に2度目のピットストップを行い、武藤英紀に再度バトンタッチ。その後もGT300のファステストラップを叩き出すなど後続に詰め寄られる気配を全く感じさせない走りを披露。ハイブリッドGTカーとして初優勝は確実と思われていた。
ところが、チェッカーまで残り16周というところで武藤が緊急ピットイン。急激なバイブレーションを感じ、ピットに報告。このレースではタイヤのパンクが多発しており、直前にも3位を走行していたマネパランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行)もタイヤがパンクし後退。タイヤのバーストする危険を避けるためのピットインだった。幸い、タイヤカスを拾ったことによるバイブレーションだったとことだが、これで2位を走行していたPanasonic apr PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀)にトップの座を明け渡してしまう。武藤も最後までプッシュし続けたが16秒もの差がついており、万事休す。昨年の第1戦から参戦を始めたプリスGTが10戦目にして初優勝を飾った。
パルクフェルメに戻ったプリウスに乗り込んでいた新田守男は、マシンを降りると感極まって涙を見せた。基本的にGTに参戦しているマシンは大半がスポーツカー・スーパーカーがベース。ハイブリッド勢のライバルであるCR-Z GTもスポーツカーに分類されている。その中でハイブリッドカーとして日本で知られている乗用車をベースにしたマシンでの参戦とあって、ここまで長く苦しい道の連続だったが、ようやく報われる瞬間が訪れた。
2位には、悔しいレースとなってしまった無限CR-Z。FIA-GT3勢など、強豪たちを抑えて日本を代表するハイブリッドGTカーがワン・ツーフィニッシュを飾るとう快挙を成し遂げた。
『記事:吉田 知弘』
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