SUPER GT第2戦富士の決勝レース。GT500クラスがレクサス勢が上位を独占して、最終スティントを迎えた。60周を終了してDENSO KOBELCO SC430(石浦宏明)がトップ、2位にPETRONAS TOM’S SC430(ジェームス・ロシター)がつける展開。
残るは最終のピットストップのみ。まず最初に動いたのが39号車の脇阪だった。1回目が25周目と短めのスティントだったため、2回目は68周目と今回も早め。その分、ライバルより何周か多く最終スティントを走らなければならないため、給油に時間がかかり46.6秒の作業時間となった。これでトップに立ったのは36号車のロシター。39号車より約10周引っ張り、78周目でピットイン。ここで名門トムスのメカニックが34.0秒と素晴らしい作業でアンカーの中嶋一貴を送り出し、トップを奪い返した。給油で時間がかかった39号車は4位に後退。2位にENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也)、3位にZENT CERUMO SC430(立川祐路)が浮上した。
タイヤ交換直後でペースが伸びない一貴に対し、2位の大嶋が仕掛けていく。彼らは74周目に一足早く2回目のピットストップを済ませており、タイヤも十分温まっていた。何度か並びかけられそうになるシーンがあった一貴だが、辛抱強くトップを死守し、ピンチを脱する。一方プッシュした結果タイヤが消耗した大嶋は3位立川に迫られてしまう。大ベテランの立川は冷静にチャンスを狙い、83周目の最終コーナーでGT300車両に引っかかった瞬間を見逃さず、一気にオーバーテイクし2位に浮上する。
これで残るは一貴のみ。もちろん、この情報は彼にも無線で伝えられて、ペースを徐々に上げ始める。立川も必死に追いすがるが、その差は3秒のまま縮まらず、終盤にきてこう着状態になる。残り周回も少ない中、打つ手がなくなり始めていた立川だが、それでも優勝を諦めていなかった。残り10周を切ったところで少しずつ差を詰め始め、残り5周で1秒以内に接近。一貴も燃費を気にしながらの走行だったが、1分33秒台を連発しラストスパート。結局3.3秒引き離してチェッカー。GT500では参戦3年目で悲願の初優勝を獲得、パートナーのジェームス・ロシターは2戦目で早々とGT500初優勝を飾った。ウイニングランを終えてパルクフェルメに帰ってきた一貴、集中しきった最終スティントを闘いぬいた僚友にロシターが飛びつき喜びを爆発させた。
2位には一歩及ばなかった立川/平手組のZENT CERUMO SC430、3位は大嶋/国本組のENEOS SUSTINA SC430。さらにKeeper TOM’S SC430(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ)も4位に入り、ホームコースの富士スピードウェイで、レクサス勢がトップ4を独占するという結果に終わった。
『記事:吉田 知弘』
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