2013年のIZODインディカー・シリーズの開幕戦がフロリダ州のセントピーターズバーグで24日(日)に決勝が行われた。
ポールポジションはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、2番手に佐藤琢磨(AJフォイト・レーシング)がつけ、琢磨のインディ初優勝に期待がかかる開幕戦となった。ローリング形式で2013年開幕戦のスタートが切られると、パワーが勢い良く飛び出し1コーナーへ。琢磨も無難に2位を死守しレースが進んでいく。序盤から後続を置き去りにして独走態勢を築いていく。チームメイトのエリオ・カストロネベスもフルコースコーションが入る度に順位を上げ、気づけば琢磨も抜いてペンスキー勢がワン・ツー体制を築いていく。
琢磨も辛抱強く上位に踏みとどまるが、32周目のリスタート直後に他車と接触フロントウイングを破損しペースダウンの原因となる。その後も傷ついたフロントウイングで走行を続ける厳しい展開になり、一時は16番手までポジションダウンしてしまうが、最後まで諦めずにプッシュし続け、最終的には8位まで挽回してチェッカーを受ける。
気になる優勝争いはパワーが圧倒的に有利な展開で進んでいたものの、74周目に起きたアクシデントで4回目のフルコースコーションになった際、他車に追突されるハプニングに見舞われ優勝争いから脱落する。これによりコーションが長引き、カストロネベスを先頭に85周目にレース再開。すると1コーナーでのミスを見逃さなかったジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポーツ)が抜き去りトップを奪う。そのまま逃げ切ったヒンチクリフがトップチェッカーを受け、インディ初優勝を飾った。
4年目のインディを新加入のチームで迎えた琢磨。初戦を8位で終えて「スタートから厳しい戦いになりました。2回目のリスタートで前を走るマシンと接触し、フロントウイングが壊れてしまったので、ダメージを負ったマシンでレースの大半を戦うこととなりました。フロントウイングを交換する前、私たちの順位は15番手まで落ちていました。ウイングを換えてからはペースを上げることができ、何人かライバルをパスすることもできました。レースでは多くの課題が見つかりましたが、ゴールまで戦い抜くことができました。チームのクルーたちのがんばりに感謝したいと思います」とレースを振り返った。
(コメントはHondaRacingのリリースより)
残念ながら、レース中のアクシデントがきっかけでファンが期待する結果にならなかった琢磨。新加入したチームでいきなり予選2位を獲得。決勝終盤も眼を見張るような挽回劇をみせてくれた。これからもシビアなレースは続くかもしれないが、「今年の琢磨はインディでなにかやってくれそうだ」と周りに印象づけたレースだった。
次回は第2戦アラバマが4月6・7日に開催される。
『記事:吉田 知弘』
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