【ビギナー観戦塾】F1初心者ファン必見!今からでも間に合う“ゼロからのF1観戦”(2013Ver.)

『Photo:Pirelli』
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いつもビギナー観戦塾をご覧いただきありがとうございます。

今年も3月のF1開幕に向けて少しずつカウントダウンが始まっています。それと同時に10月11・12・13日に三重県の鈴鹿サーキットで開催される日本グランプリも(まだ半年以上先ですが)少しずつ近づいてきています。昨年は小林可夢偉が3位表彰台を獲得し、レース後には来場した10万人のファンから「可夢偉コール」が沸き起こるなど、例年以上に感動の多かった1戦になりました。昨年観戦された方の多くは「今年も行こう!」「今年もF1を観よう!」と意気込んでいらっしゃる方も多いでしょう。

しかし、中には「今年F1観戦に行こうか迷っています・・・」という方も多いと思いますし、実際にF1観戦を予定されている方の中にも「F1のルールは?」「F1を観る時の楽しみ方は?」など細かい部分をご存知でない方が多いと思います。

Photo:KANSENZYUKU Photo:KANSENZYUKU
『Photo:KANSENZYUKU』

F1はよく、ルールが複雑すぎて「マニアだけが楽しむもの」と決め付けられていることが多いですが、そんなことは一切ありません!今までF1に触れたことがなかった方でも、今からでもF1を十分楽しむことができます!

今回は過去の2012年2月のサイトリニューアル前にビギナー観戦塾で掲載した記事を少し新しくした形で再度ご紹介する形になりますが、「F1ってどんな競技?」という本当に大雑把な部分からお話していきたいと思います。

※これらの内容は、F1を初めて見る人を対象に作成してあります。ご了承ください。※

【まずは・・・F1って何?】
『Photo:Pirelli』 『Photo:Pirelli』
『Photo:Pirelli』

一言で言うと、F1とは・・・「自動車レースの世界一を争う選手権」です!
正式名称は「Formula1」これを略してF1と呼んでいます。F1世界選手権シリーズが始まったのは1950年。60年以上の歴史がある自動車レースです。世界数十カ国で開催されている自動車レースの頂点にF1が位置し、参加が許されているチームは12チーム、ドライバーは世界でたった24人と、世界中で選ばれた一握りの精鋭達です。全てチームの自社製で作られたF1マシン(最大出力:約700馬力、最低重量(ドライバー込み):約640kg)に、世界で選ばれたF1ドライバーが乗って、世界一の座をかけてレースを行います。

【世界一の称号“ワールドチャンピオン”】
F1は毎年3月~11月にかけて世界各地、全20戦のグランプリ(レース)が開催されます。各レースでの順位に応じてポイント(※1)が与えられ、年間を通して合計ポイントがトップだったドライバーは年間王者「ワールドチャンピオン」になります。

Photo:KANSENZYUKU Photo:KANSENZYUKU
『Photo:KANSENZYUKU』

ワールドチャンピオンには、もちろんトロフィーなどの授与もありますが、一番の名誉なのが『ワールドチャンピオンは、翌シーズンの“カーナンバー1”をつける権利』がもらえるということ。長い歴史を持つF1でたった31人(2012シーズン終了時点)しか得ることが出来なかった価値ある栄光です。もちろんチャンピオンになると伝説として語り継がれる事もありますし、その国のヒーローとして人気を集めることにもなります。

(※1)2013ポイントシステム
1位:25 2位:18 3位:15 4位:12 5位:10 6位:8 7位:6 8位:4 9位:2 10位:1

【F1の基本ルール、注目ポイントは2つだけ!】
よく「F1はルールが難しいから、見ても分からない」という意見を持っていらっしゃる方が多くいます。でも、実際には難しくありません。難しく見えるのは、“細かく見よう”としているからなのです。大まかな部分だけで考えていけば、注目して欲しいポイントは2つだけです。

★★ポイント(1)「予選」★★
F1の各グランプリ(レース)では、必ず「予選」と「決勝」があります。F1の予選は、各ドライバーがコース1周を回るタイムを計測して、その早いドライバーから順に、決勝でのスタート位置(グリッド)を決めていきます。

F1予選システムチャート(2013ビギナー観戦塾)

現在は3つのラウンドを勝ち残っていき、決勝のスタート順を決める「ノックアウト方式」が採用されています。まずは全車が出走する22台からQ1(20分)で下位6台と、次に進んだQ2(15分)の下位6台がノックアウト。最終Q3に残った10台によってポールポジション(予選1位)が争われます。

★★ポイント(2)「決勝レース」★★
 
『Photo:Pirelli』

決勝レースは、予選で決めたスタート位置から一斉にスタートし、各レースで設定された規定周回数を最初に走り切ったドライバーが優勝となります。ややこしく見えますが、決勝レースに関する大まかなルールはこれだけです!

また、2010年から「レース中のガソリン給油が禁止」になったことにより、今までのような複雑な「ピット戦略」というものがなくなり、比較的に分かりやすいレースになっています。決勝レースで唯一、覚えておいていただきたいルールが、「タイヤ交換」のルールです。

■■レース展開を大きく左右するタイヤ■■
決勝レースは、決められた周回数を最初に走りきったドライバーが優勝ですが、それまでに必ず1回「タイヤ交換」というものを行わなければいけません。
今年のF1のルールでは、決勝レース中に異なる性質を持った2種類のタイヤを使用しなければならないというルールがあります。ちなみにTV中継では、今年からピレリタイヤに変更され、各タイヤの見分け方も側面のロゴ色で見分ける事になりました。

『Photo:Pirelli』
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<ドライタイヤ(晴れ用)>
スーパーソフト:赤
ソフト:黄
ミディアム:白
ハード:オレンジ ※2013年から色が変わりました
<レインタイヤ(雨用)>
インターミディエイト(少雨用):緑
ウエット(豪雨用):青

上記の4種類のうち、コース特性に合わせ、2種類のタイヤが持ち込まれ、その2種類を必ず使わなければならないルールになっています。そのため、最低1回タイヤ交換をしなければいけないことになっており(今年は平均で3~4回交換している)、もちろんタイヤ交換のタイミングは自由。チームやドライバーによって交換のタイミングはバラバラです。

 『Photo:Pirelli』
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基本的に1度タイヤ交換を行うと、アクセル全開で走っているライバルに対して約20秒程度タイムロス(約20秒間停止しているというイメージ)することになります。
このタイムロスにより、大きく順位が変動し、見た目の順位と、実際(全員がタイヤ交換を終えた後)の順位が大きく異なってきます。

最初は観ていて混乱するかもしれませんので、皆さんでドライバーとチェック項目を書いた表を作って、タイヤ交換をしたドライバーをチェックしていけば、現在の位置関係や、この後、誰がタイヤ交換しなければならないのかが、最終的に落ち着くであろう順位が分かりやすく見分けられると思います。

いかがだったでしょうか??
少しは「おもしろいかな?」とか「自分でも楽しめそう!」と感じましたでしょうか?ここでご紹介させていただいたものは、ほんの一部です。

F1は本当にルールが複雑で、2~3日で覚えられるようなものでもありません。ただ、今回ご紹介した内容だけで、普段のTV中継を楽しむ事はできますし、1シーズン通して観戦するうちに、自然と分かる範囲が広がって、奥が深いF1の世界を知ることができると思います。

今後もビギナー観戦塾では、F1を見るのが初めてという人向けの分かりやすい情報や観戦中に知っておくと役に立つポイントを随時更新し、ご紹介していきます!

『Photo:Pirelli』 『Photo:Pirelli』
『Photo:Pirelli』

【長くなりましたが・・・最後に】
以前、あまりF1のことを知らない友人に、こんなことを言われたことがあります。

「F1って、同じところをグルグル回っているだけで、何が面白いの?」

おそらくF1ファンの皆さんも同じ事を言われた経験があると思います。確かにF1の事をよく知らない人からすれば、そうかもしれません。

残念ながら、今年も日本ではF1の地上波チャンネルでの放送予定がなく、なかなか皆さんもF1のレース映像を見る機会が少なくなっています。さらにF1情報を扱うメディアの多くがこういった初心者ファン向けの情報を取り上げていないため、今まで以上にF1を知らない人にとって入り込みにくい存在になってしまっています。

 
『Photo:Pirelli』

F1は他のスポーツと違い、1シーンや1プレーのインパクトで楽しめる競技でないため、そこにだけ注目して観てしまうと逆に退屈になってしまいます。同じコースを50周も60周も同じように走っているだけのように見えますが、その1周1周には、ほんの少しの積み重ねと状況の変化が起きています。

それを10周、20周と、テレビの連続ドラマを見ているように、その周に起きたストーリーを積み重ねて見続けていく事で、最後のゴールした瞬間に「面白かった!」「凄かった!」「感動した!」という感想が初めて出てくる・・・それがF1をはじめとしたモータースポーツならではの醍醐味でもあります。

Photo:KANSENZYUKU Photo:KANSENZYUKU
『Photo:KANSENZYUKU』

そして今年も10月に日本グランプリが鈴鹿サーキットで開催されますが、現地観戦する場合も同じで、それがTV画面を飛び越えて、目の前で「レース」というストーリーが作り出されていくのです。TVではなく現地の観戦スタンドで観る場合、今まで感じることができなかった「スタート前の緊張感」「F1マシンの迫力」「ファンの歓声」「ドライバー達の気迫」「チームスタッフの“一致団結した”タイヤ交換の作業」を“感じる”ことができます。

是非、10月の日本GPでは、その「サーキットでしか味わえない“感動”」を一緒に味わいにいきましょう!

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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