今季、トップチームの中で数少ない「移籍メンバー」となったルイス・ハミルトンが21日、新天地となるメルセデスAMGチームの本拠地を訪問。2013年シーズンの活動を本格的にスタートさせた。
長年にわたってマクラーレンのユニフォームを着てきたハミルトンだったが、この日からメルセデスAMGのウェアで登場。まずは往年のレーシングカーが多数展示されているメルセデスミュージアムを訪問、その後ファクトリーを見学し現場スタッフの前で挨拶も行った。
昨シーズンはランキング4位に終わったハミルトン。実は優勝回数で見るとチャンピオンを獲得したセバスチャン・ベッテル(5勝)につぐ4勝を記録。ランキング2位だったフェルナンド・アロンソ(3勝)よりも勝ち星は多く、ベッテルを含めた“三つ巴”のタイトル争いになっていてもおかしくない状況だった。しかし、シーズン後半を中心にトップを快走していながらマシントラブルでリタイヤしてしまうレースが多く、それが最終的にベッテルに91ポイントも引き離されてしまった要因の一つとなるなど、彼にとっては非常に惜しいシーズンとなってしまった。
今年はチャンピオン候補の一角であったマクラーレンチームを離れメルセデスAMGへの移籍を決断。新しい環境で迎える2013年シーズンに関してハミルトンは「今年は新しいメンバーと一緒に仕事をすることになる。今までとは違う“新しい旅”になるだろう。とても楽しみだよ。どのチームで走るにしても僕たちは勝つために毎回全力を尽くしている。もちろん、今のレッドブル、フェラーリ、マクラーレンとともに上位で戦っていくのは大変だけど、不可能なことではないと思っている。多分今年は自分自身にとって今まで以上に大きなチャレンジになるだろう。この新しいチャレンジを楽しみたい。」と意気込みを語った。
昨年、ニコ・ロズベルグが第3戦中国GPで優勝を飾ったものの、コンストラクターズランキングではロータスに負け5位に転落。ここでハミルトンが加わったからといって、開幕戦からいきなりポールポジションや優勝が獲得するのは、さすがに難しいかもしれない。だが、これまでマクラーレンという「完成された組織」でユース時代から育ち、2008年にはチャンピオンも獲得。そこで培った経験を現体制になってまだ年数が経っていないメルセデスAMGに移って、どう活かされるのか?前述のコメントにも出てきた“新しい旅、新しいチャレンジ”は、間違いなく今までのハミルトン自身をさらに成長させる過程になっていくのかもしれない。
チームは変わっても昨年までと同じようにチャンピオンの座を狙っていく事になるハミルトン。どういう結果になるかは実際にシーズンが始まってみないと分からないが、ベッテルやアロンソと同じようにF1界を代表するトップドライバーであるハミルトンが新天地でどのようなレースを見せてくれるのか、観ている我々にとっても、非常に楽しみなシーズンになりそうだ。
『Photo:MercedesAMG』
『記事:吉田 知弘』
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