『撮影:SHIGE』
SUPER GT第8戦もてぎの決勝が28日(日)ツインリンクもてぎで行われた。午前中から分厚い雲に覆われたもてぎ。朝のフリー走行はドライコンディションで行われたが、その後から雨が降り始め決勝レースは完全なウエットコンディション。今週末に入って初の本格ウエット走行ということもあり、セーフティカー先導でスタートが切られ、3周目から本格的にレースが開始された。
ポールポジションのZENT CERUMO SC430の平手晃平は、SCスタートという利点を生かしてトップを通過。後続とのリードを築いていく。一方で今回セルモSC430のライバル候補だった2番手ENEOS SUSTINA SC430の伊藤大輔が序盤にスピンを喫し後退、3番手MOTUL AUTECH GT-Rのミハエル・クルムもペースが伸びず順位を落としていってしまうなど2位以下は混戦。その中で素晴らしい追い上げを見せたのがS Road REITO MOLA GT-Rのロニー・クインタレッリだった。予選は7番手と沈んでしまったが、ミシュランタイヤが得意とするウエットで本領を発揮。10周目で2位に浮上すると、首位セルモSC430との差を縮めていく。
一時は2秒後方まで迫られたセルモSC430平手だったが冷静に対応。タイヤを労りながらうまくペースコントロールし、トップを死守し後半戦へ突入していく。20周目を過ぎたあたりから続々とピット作業を行うチームが出始めるが、トップ2台は30周を過ぎてもピットに入らない。後半スティントで相手がどのタイヤを選ぶのか?をお互いに探り合っていたのだ。
先に動いたのはMOLA GT-R。33周目にピットインしクインタレッリから柳田真孝にドライバーチェンジ。ここで雨に強いミシュランとMOLAはこのままで行けると判断、タイヤ無交換で柳田を送り出した。
この動きを見てセルモSC430も35周目にピットイン。同様にタイヤ無交換で給油とドライバー交代のみの作業。MOLA GT-Rの前でコース復帰に成功した。
後半スティントに入ってから雨も弱まり、セルモSC430立川祐路は前回オートポリスでの雪辱を果たすべく、2位柳田との距離を広げていく。しかし終盤には再び雨が強くなりはじめ、柳田も反撃を開始。残り10周で両者の差は1秒を切る接戦となった。
それでも大ベテランの立川は動揺する様子は一つもなく、柳田に付け入るすきを与えない走りでピンチを切り抜け、そのままチェッカー。見事今季2勝目を飾った。2位には最後の最後まで追い上げ続けたMOLA GT−R。その差は僅か0.138秒だった。3位にはEPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)が入り、2戦連続で表彰台を獲得した。
パルクフェルメに帰ってきた立川と、それを出迎えた平手。レース後のインタビューや記者会見で2人揃って「前回、雨のオートポリスで完敗してショックでしたが、今回雨のレースで勝つことができて良かった」と、雨レースでリベンジを果たせたことに喜んでいたと同時に安堵した表情を見せていた。
『記事:吉田 知弘』
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