いよいよ明日に迫ったSUPER GT第8戦もてぎ。GT500クラスはすでにチャンピオンが決定しているが、GT300クラスはHANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)、triple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)、エンドレスTAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝)の3チームに絞られての最終決戦がツインリンクもてぎで繰り広げられる。
その差は、わずか9ポイント。特に1位ハンコックポルシェと2位アストンマーティンとの差は4ポイントで単純に勝ったほうがチャンピオンと言っても良い状態。しかし、今年のGT300は言うほど簡単に勝てるようなクラスではない。普段はGT500ばかり注目されがちだが、今週末のGT300チャンピオン争いは最終ラップの最終コーナーまで目が離せない激戦になるだろう
今回は、GT300クラスの最終戦もてぎでの見どころをご紹介していこうと思う。
<GT300クラス上位ポイントランキング>
1位:HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)/71ポイント
2位:triple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)/67ポイント
3位:エンドレスTAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝)/62ポイント
【ランキング1位:HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)/71pts】
■チャンピオン決定の条件(代表例のみ)■
優勝→無条件で決定
2・3位→66号車より前でゴールできれば決定
4位→66号車が3位以下、911号車が2位以下で決定
5位→66号車が4位以下、911号車が2位以下で決定
6位→66号車が4位以下、911号車が3位以下で決定
直線では圧倒的な速さを誇り“直線番長”と恐れられているポルシェ。その中でも第3戦セパンと第6戦富士を制し、現在71ポイントでライキング首位に立つのが影山/藤井組のハンコックポルシェだ。シーズン全体を見れば、今回のもてぎは大得意というほどではないかもしれないが、昨年もトラブルによるピットスタートから怒とうの追い上げを見せ、3位表彰台を獲得している。悲願の初タイトルに向け、一番のライバルになるであろう66号車のアストンマーティンにどれだけ食いついていけるかがポイントになるだろう。
【ランキング2位:triple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)/67pts】
■チャンピオン決定の条件(代表例のみ)■
優勝→無条件で決定
2位→33号車より前でゴールできれば決定
3位→33号車が5位以下、911号車が2位以下で決定
4位→33号車が7位以下、911号車が3位以下で決定
前回オートポリスで今季2勝目を挙げ、逆転タイトルの可能性を大きくした吉本/星野組のアストンマーティン。今まで彼らを苦しめてきたハンディウェイトも、最終戦は0kgになるため、シーズン中盤で見せている他を圧倒する速さは、ツインリンクもてぎでも健在だろう。首位ハンコックポルシェとの差は4ポイント。優勝すれば無条件でチャンピオン決定と、今のアストンマーティンのパフォーマンスを考えると有利とっても良い条件が揃っているが、気になる問題を残しているのも事実。マシントラブルだ。
今シーズンのアストンマーティンは特にギアボックス関係のトラブルが多発しており、第5・7戦での優勝と第2・3戦の2位以外は全てノーポイントに終わっている。最後まできっちり走れればチャンピオンを勝ち取れるだけの速さ・強さがあるものの、一発勝負の最終戦で予期せぬトラブルに見舞われる可能性が高いのも彼らかもしれない。
ポルシェ以外の“目に見えないライバル”も倒して、悲願のタイトル獲得なるか?注目が集まる。
【ランキング3位:エンドレスTAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝)/62pts】
■チャンピオン決定の条件(代表例のみ)■
優勝→33号車が4位以下、66号車が3位以下で決定
2位→33号車が6位以下、66号車が4位以下で決定
3位→33号車が10位以下、66号車が6位以下で決定
タイトル獲得の権利がある3チームの中では、一番厳しい立場にある峰尾/横組のTAISANポルシェ。優勝しても、ハンコックポルシェが4位以下、アストンマーティンが3位以下とライバル達の順位も絡んでくるため自力のみでの王座奪還が出来ない。しかし今シーズンは優勝こそないものの、第5戦鈴鹿を除く全戦でポイントを獲得し、3回の2位表彰台を経験するなど、常に上位争いに絡んできた。さらに今回のもてぎはポールポジションを獲得した開幕戦岡山同様にハンディウェイトは0kg。まず何が何でも勝たなければいけないチームだけに、予選からどんな走りを見せてくれるのか、注目したい。
【チャンピオン争いの行方に“大きく”関わってくるライバル達の動き】
現在タイトル獲得の権利があるのは上記の3チームのみだが、最終戦もてぎの優勝候補の話をすると、その数は倍以上になり、今回も大混戦のレース展開になることは確実だ。
その中でも一番こわい存在なのがS Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正)。前回オートポリスでは関口が第6戦富士を欠場した関係で96kgという重いハンディを背負うことになったにも関わらず、アストンマーティンと対等にバトルを繰り広げた。残念ながら終盤に左リアタイヤが脱輪するアクシデントに見舞われリタイヤ。タイトル獲得の権利を失ってしまった。今回も関口の出走数が規定数に満たないため、48kgのハンディを課せられるが、前回同様に優勝争いに加わってくることは確実。チャンピオンの行方を大きく左右する1台になることは間違いないだろう。
さらに今季まだ未勝利のJAF-GT勢もハンディウェイトが0kgになり、より高いパフォーマンスを発揮してくることが予想される。特に最近調子を上げてきているapr HASEPRO PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀)と無限CR-Z(武藤英紀/中嶋大祐)のハイブリッドGTカー2台も、ライバル達からすれば不気味な存在だろう。
今週末の最終戦もてぎはチャンピオン争いだけでなく、純粋に“どのマシンがもてぎラウンドを制するのか?”という点に注目するだけでも、十分に見応えがある1戦になると思う。
注目のSUPER GT最終戦もてぎは、27日(土)公式予選。28日(日)に決勝が行われる。
『記事:吉田 知弘』
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