『2011年GTもてぎスタートシーン(写真:ツインリンクもてぎ)』
2012年のモータースポーツシーズンも早いもので終盤戦に突入。今週末の27・28日はSUPER GTのシリーズ最終戦MOTEGI 250km RACEが栃木県のツインリンクもてぎで開催される。
すでにチケットの販売も始まっており、タイムスケジュールも発表済み。現地も最終戦に向けてのチーム・ドライバー、ファンを迎え入れる準備が着々と進んでいる。
今回は、最終戦もてぎラウンドの見どころ(GT500クラス編)をご紹介して行こうと思う。
【最終戦は全車ノーウェイト!通常より短い250kmの距離で、スプリント耐久戦が繰り広げられる!】
まず最終戦の見どころといえば、今季各マシンの成績に応じて課せられてきたハンディウェイトが全て「0kg」に戻され、全車イコールコンディションでレースが繰り広げられる。
成績上位者に対してウェイトを積ませて、よりレースを面白くさせようと国内ではSUPER GTにのみ導入されているハンディウェイト。これまでウェイトに苦しみ、思うような結果を残せてこれなかったチームが、今回どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか?「ガチンコ勝負」のシリーズ最終戦にご注目いただきたい。
【GT500:チャンピオンは決定しても見どころ満載!ガチンコ勝負で競り勝つのは?】
毎年、最終戦までもつれ込むタイトル争いに注目が集まるが、今年はS Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)が前回オートポリスで2年連続のGT500チャンピオンを獲得。これにより最終戦もてぎは“消化試合”と感じているファンも多いかもしれない。
確かにチャンピオンは決まってしまったが、それ以外にもシーズン序盤から見どころが多かったGT500クラス。全車のウェイトが0kgとイコールコンディション。さらにチャンピオン争いでのプレッシャーや駆け引きの必要もなくなった今、1回きりの「純粋なガチンコ勝負」、今週末のもてぎで繰り広げられる事になる。
その中でも優勝候補を挙げるのであれば、何と言っても2連覇を果たしたMOLA GT-Rが有力だろう。前述にも触れた通り、ハンディウェイトの関係で攻めきれなかったレースもあったが、今回はハンディなし。ライバルたちと同じコンディションになった今、どれだけ“圧倒的な走り”を見せ付けてくれるのか?王者の貫禄あるレース運びに期待したい。
そのMOLA GT-Rと激しいチャンピオン争いを繰り広げてきたZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)も注目。開幕戦で優勝、第3戦セパンでも2位表彰台とシーズン前半は光る走りを見せていたが、MOLA同様に後半はウェイトに苦しみ、最終的にタイトルも逃してしまった。間違いなく、一番悔しい思いをしているのはセルモチームと立川・平手の両ドライバーだろう。ハンディなしの最終戦でリベンジを果たしたいところだ。
そして、チャンピオン争いも終わった最終戦で最も注目したいのが“今季勝てそうで勝てなかった”チーム達だ。
■PETRONAS TOM’S SC430(中嶋一貴/ロイック・デュバル)
まずはレクサス陣営を代表する名門チームであるTOM’S。今季は第4戦SUGOで2位表彰台。しかしトップのENEOS SUSTINA SC430を背後まで迫っていただけに悔しい2位チェッカーとなった。今季はル・マン24時間など世界耐久選手権(WEC)でも活躍している中嶋一貴とロイック・デュバルのコンビ。特にF1を経験して昨年からGT500クラスに参戦し、注目を集めきた一貴にとっては、そろそろ優勝がほしいところ。今季は不運も多く好結果を残せてこられなかったチームだけに、最終戦で鬱憤を晴らすレースに期待したい。
■MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ミハエル・クルム)
優勝争いに絡むレースで確実に結果を残してチャンピオンを決めたMOLAに対して、日産陣営のエース的存在であるNISMOは、意外なことに今季未勝利。第2戦富士で3位表彰台を獲得しているものの、第6戦富士、第7戦オートポリスともに優勢にレースを進めていながら、肝心なところでペナルティを受け、順位を落としてしまう不運続きのレースが続いていた。ここツインリンクもてぎは、昨年が怒とうの追い上げをみせて逆転優勝を飾った場所。
今年から復帰したミハエル・クルムもSUPER GTのレース感覚を取り戻してきており、いつ勝ってもおかしくないパフォーマンスを見せるようになってきている。名門NISMOの底力が発揮されれば、間違いなく53周をトップで走り切ってくるだろう。
今シーズン勝てそうなレースで運に恵まれなかったチーム。それは間違いなくRAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)かもしれない。開幕戦岡山ではZENT CERUMO SC430との激しいトップ争いを展開。トップで最終ラップに突入するも立川の意地のオーバーテイクに屈し2位惜敗。第2戦富士でも、レース終盤にトップに立つが、DENSO KOBELCO SC430の猛追に残り5周で屈し、2戦連続で悔しい2位チェッカーとなった。第3戦セパン以降はハンディウェイトが増えて苦戦。ここまで未勝利できている。
しかしシーズン序盤の勢いを考えると、ハンディウェイトが無くなった最終戦ではかなり手強い存在になるだろう。さらに今回の舞台ツインリンクもてぎはHonda勢にとってホームコースであり、山本尚貴にとっては地元栃木県でのレース。「今度こそ、いつも応援してくれる地元ファンの前で勝ちたい」という思いは、人一倍強いものになっているだろう。今季はレクサス・日産勢に先行されてきたHonda勢。ホームコースで一矢報いる走りに注目だ。
チャンピオンが決まっても見どころ満載のGT500クラス。いよいよ今週末27日(土)に開幕する。
『記事:吉田 知弘』
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