いつもビギナー観戦塾をご覧いただきありがとうございます。
F1日本グランプリが終わり、早いもので2週間が経とうとしています。毎年、F1観戦を楽しみにされている皆さんにとっては、満足感と寂しさと入り混じった気分になっている頃ではないでしょうか?
普段は「現地観戦はF1だけ!」と言う方も多いかもしれませんが、そんな皆さんに是非観戦に行って欲しい“もう一つの世界選手権レース”が、今週末鈴鹿に上陸します。そのレースの名は「世界ツーリングカー選手権(WTCC)」。
今回は、今週末に鈴鹿で行われるWTCCというレースについてと、見どころに観戦ポイントなどの紹介をしていきたいと思います。
【WTCCとは?】
現在、4輪のモータースポーツ界にはFIA(国際自動車連盟)が統括する世界選手権のレースが4つあります。
●F1世界選手権
皆さんもご存知、世界最高峰のフォーミュラーカーレースです。モータースポーツ界でも、世界規模で人気が高いレースです。
●世界ラリー選手権(WRC)
ダートやアイスバーンなど、悪路を舞台にするWRC。今年F1に復帰したキミ・ライコネンが参戦していたことでも有名ですよね。
●世界耐久選手権(WEC)
ル・マン24時間耐久レースなどに参戦しているプロトタイプカーによるレース。タイトル「耐久選手権」とついているだけあって、決勝も「6時間耐久」「12時間耐久」と、各チーム2〜3人のドライバー編成で、最低でもF1の3倍以上の距離で争われます。
先日行われた「6Hours of Fuji」では、中嶋一貴が乗り込んだトヨタTS030ハイブリッドが優勝し話題になりました。
そして、もう一つが「世界ツーリングカー選手権(WTCC)」です。
WTCCの特徴は、他のカテゴリーと比べて、一番市販車に近いマシンを使用してレースを行うということ。今季、WTCCに参戦しているメーカーはBMW、シボレー、ボルボ、セアトで、他の世界選手権から比べるとマシンの性能差も少なく、スタートからゴールまで、常に大接近戦のバトルが展開されます。
さらに今回の日本ラウンドから、Honda CIVICのスポット参戦も決定!元F1ドライバーのティアゴ・モンテイロがステアリングを握ります。久しぶりに世界選手権の舞台に帰ってくるHondaの活躍に注目です!
【WTCCの見どころは、何と言っても“超接近戦バトル”】
他の世界選手権と異なり、WTCCの場合は、マシンとマシンが触れ合うくらいの超接近戦バトルが見どころの一つです。
少々の接触は当たり前。ちょっとでもスペースがあれば、迷わず飛び込んでき、2台が並びながらコーナーを駆け抜けていくこともあります。
F1やフォーミュラニッポンはタイヤが剥き出しになっているフォーミュラカーなので、こういったバトルは出来ませんし、同じ“(通称)ハコ車”のSUPER GTはマシン同士の接触に関して厳しくペナルティ等で取り締まっています。そのため、そこまでの接近戦バトルというものを、日本国内のレースではあまり目にする事はありませんでしたが、今回のWTCCでは“勢い”で各コーナーで熾烈なバトルが繰り広げられるレースを観る事が出来ます!
【1日に2レース開催“違った見方が出来る”WTCC】
鈴鹿サーキットの東コースのみを使用して行われるWTCC。日曜日の決勝は26周のスプリントレースを2回行います。つまり、1日に白熱したバトルが2回も観れるのです!
F1のように何回もタイヤ交換をすることはなく、単純にスタートから26周を早く走りきったドライバーが優勝というルール。そのため、あまりモータースポーツに詳しくない方も、分かりやすいレース内容になっているのも特徴です。
さらにレースのスタート順を決める予選やグリッド決定方法を工夫し、より“多くのバトルを生み出すような工夫”もされているのがWTCC。
★WTCCのグリッド決定方法“第2レースはリバースグリッド!”★
まずはWTCCの予選方法からご紹介していきましょう。
予選方式は、F1やフォーミュラニッポンでも採用されている「ノックアウト方式」を一部応用させた内容。WTCCの場合は全車が出走できるQ1(20分)と上位12台のみが進出できるQ2(10分)の2ラウンド制です。
<<グリッド決定方法>>
■決勝 第1レースのグリッド決定方法■
Q2での予選結果が、そのままグリッド順として反映されます。
Q1でノックアウトされた13位以下のドライバーはQ1の結果=第1レースのグリッド
■決勝 第2レースのグリッド決定方法■
・1〜10番グリッド
Q2での1〜10位がリバースグリッドの対象になります。
(例)予選Q210位のドライバーだと、決勝第1レースは10位から、第2レースはPPからスタートになります。
・11・12番グリッド
Q2の結果がそのまま反映
・13番グリッド〜
第1レース同様、Q1結果がそのまま反映
これにより、いつもは予選で上位進出できないチーム・ドライバーも、決勝第2レースで最前列付近からスタートする事ができ、色んなドライバーに優勝チャンスが与えられます。
WTCCの場合、このリバースグリッドだけが少し複雑ですが、決勝レースの内容は、そこまでややこしくなっていませんので、現地で観ていても展開を把握しやすいと思います!
F1日本グランプリが終わって、「もっと現地でモータースポーツを楽しみたい!」「F1は行けなかったけど、鈴鹿サーキットでのレース観戦は経験しておきたい!」という皆さん!
F1とは違った迫力があるWTCC。観に行って損はないと思います。お時間のある方は、是非鈴鹿サーキットに足を運んでみてください。
『写真:鈴鹿サーキット』
『記事:吉田 知弘』
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。